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日本外来小児科学会春季カンファランスに参加してきて(3)


春季カンファランスの午前中の、「診察室の外の子ども達」の2番目の招待講演では、

「子どもの成長を支えるしなやかなネットワークづくりを目指して~学校を支援する各機関に求められていること~」と題して、横浜市教育委員会の主任指導主事の宮生和郎先生が講演されました。

宮生先生は、教育相談や不登校対策に関わられているお仕事を通して、学校生活や子育てに関して保護者や教職員からの相談が増加していること、そしてその解決のためには家庭だけ、学校だけの努力では限界があると話されました。このような状況では、子どもや、家庭や、学校に関わりのあるいろいろな機関(組織)がしなやかなネットワークを作り上げて、連携することが子どもの成長を支える原動力になると強調されていました。

統計からは、不登校やひきこもりは、社会の経済状況が悪化してきた平成8年頃から増加してきており、平成14年以降は横ばいの傾向です。また年齢別で見ると、「中学校1年生のギャップ」14歳の壁」と称されるように、この年齢の子ども達から急激に、不登校や引きこもりが増加しているようです。

この年齢は、内面の自分(自分を見つめ直して、自分をよく知ること)外向きの自分(家族や友達、先生などの周囲の人々に見せる(付き合う)自分)との間に大きなギャップが出来、そのバランスの悪さから、様々な葛藤を引き起こします。その解決のためには、この葛藤を通して自分自身が成長できるように、周囲の人々は、お子さん自身が自分から歩み始めることが出来るようなサポートをしてあげれらるように配慮し、「子どもたちに接する時には、共に遊び、共に考えるような、一体感がる有る成長過程への心理的援助」の必要性を話されていました。

また、「教育は学業だけではない。そしてお子さんには、何をしてあげるかではなく、一緒になって自己をどのように育てるか(育てることが出来るか)が教育の原点である。」と述べられていた言葉が、強く心に残りました。

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