旭川市小児科 医療法人社団 土田こどもクリニック


小児気管支喘息とは


小児の気管支喘息とは、小児期の気管支喘息のことで、成人であれば成人喘息、小児に発症するので小児喘息というわけです。

カゼをひくとゼーゼーしやすくなり、それを数回繰り返していくうちにだんだん呼吸が苦しくなるような"発作"と呼ばれる症状が出てきます。

これは気管支が縮むうえに痰が詰まって空気の通り道が狭くなるために起こります。

では、同じ喘息ですが成人と小児では違うのでしょうか?
基本的な症状や気管支の状態は同じですが、成人に比べて小児ではアレルギーの関与が大きいこと、乳幼児などの小さいお子さんでは症状がはっきりしないので喘息の診断に時間がかかること、慢性化することもありますが大部分はしっかり治療すれば症状が無い時期(寛解といいます)が長期間続く事などが大きく違います。

【小児の気管支喘息は増加しているか?】

他のアレルギー疾患と同様、小児の気管支喘息もここ20年間で約2倍に増加しており、小学生から中学生にかけてでは、全体の学童の10%〜15%前後が喘息の診断がついているもしくは喘息と診断されていたという報告があります。

【いつ発症するのか?】

【診断はどのようにおこなうのか?】
0歳から発症しだし、1歳から4歳をピークとして小児喘息の90%以上のお子さんが5歳までに発症します。学童期でも少数ではありますが、新たに発症しています。

ゼーゼーしている発作の時に、聴診器で胸の音を聴きますと、典型的なピーピーという音が聴こえます。これに加えて呼吸が速かったり、胸がへこむ呼吸(陥没呼吸といいます)などの症状が繰り返し起こると喘息が疑われます。

さらに胸部レントゲン写真や血液検査などのアレルギー検査(IgE値、RAST検査、MAST検査、血液中好酸球数など)をして診断を確実にします。
大きいお子さんでは簡単な呼吸機能検査も行います。

【喘息の発作の重症度は? 】

【治療はどのように行うの?】

小児の気管支喘息の発作の重症度は、大発作、中発作、小発作の3つに分類されます。このような発作の回数が多ければ多いほど、喘息という病菌の重症度は重くなってゆきます。

最近は"アーリー・インターベンション(早期介入)"といって、喘息の早期から発作予防に取り組む治療方針が主流です。なぜなら喘息は発作が次の発作を引き起こす悪循環が問題で、慢性的になると気管支も元に戻りにくくなり、その変化は治ったと思っていても成人にまで呼吸機能の異常が続く事があります。このような予防を中心とした治療方針を「積極的ゼロレベル作戦」(発作の無いゼロレベルを長期に続ける)とも呼んでいます。

【具体的にはどのような治療方法があるの?】

【長期管理はどのようにするの?】

小児期の気管支喘息の治療は、環境整備と薬物療法の2本柱です。いくら薬物療法に取り組んでも、ダニやホコリ、ペット、カビ、タバコなどへの対処の環境整備をしなければ、発作のコントロールが難しいことが多いのです。
そのために検査でアレルギーの原因(ダニやホコリ、ペットなど)が分かればそれに対する対処が必要です。

薬物療法は、最近では抗ロイコトリエン剤や吸入ステロイド剤、長時間作動型気管支拡張剤などの新しい薬剤が開発されてきていますので、以前に比べて喘息の重症のお子さんが減ってきました。この各々の薬剤の種類と重症度レベルによる治療方法は、「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005」という本に記載されており、全国多くの病院でこれを参考にしながら、治療方針を各々で決めてゆくスタイルが取られつつあります。

このためには、喘息のお子さんの日常の症状の把握、呼吸機能の評価、薬物の服用の状況と使用頻度などが重要になってきます。「喘息日記」や「ピークフローメーター(簡単な呼吸機能の測定器具)」を用いたきめ細かい管理が今後ますます重要性を増してくる事でしょう。



 



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