子どもを守るための予防接種(ワクチン)スケジュールについて(2) |
今回は、B型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタワクチンについてのお話です。
B型肝炎ワクチンは日本ではなじみが少なく、ご存じでない方も多いかもしれませんが、このワクチンはその名の通りB型肝炎という病気を予防するワクチンです。
重症のB型肝炎はその後成人になって肝がんも発症することもある恐ろしい病気です。
そのためこのワクチンは世界最初のがん予防のワクチンと言っても過言ではありません。
B型肝炎は血液や唾液、輸血などで伝染しますが、
一番よく知られているのは母子感染と言ってB型肝炎のウイルスを持っているお母さんから出産のときに赤ちゃんに伝染してしまうことが多く、そのため数十年前から日本でもこのような例にB型肝炎ワクチンを保険診療で(自費ではなく保険診療でワクチンの料金が支払われるので、乳幼児医療などを使えば無料です)接種しており、かなりの効果を上げています。
しかしながら唾液や汗などでも伝染する可能性もあり、水平感染と言って同居しているご両親や祖父母の方からうつったり、幼稚園や保育所でうつるケースもあり、日本での年間の患者さんは2万人くらいとも言われ、
かなり多くの方が伝染している状況です。
またこのウイルスは赤ちゃんなどの幼い時期に移ってしまうと免疫が弱いせいでウイルスが体に残りやすく、成人に比べて慢性化しやすく慢性化しなくても何らかの理由で免役力が落ちると再活性化と言って肝炎になりやすくなります。
そのため生後2か月からという早い時期からの接種が薦められています。
ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンは、細菌性髄膜炎と言う恐ろしい病気を防ぐワクチンです。
細菌性髄膜炎にかかると昔でいう「のうまく炎」というもので、
死亡したり重度の障害を残すことが多くあります。
しかもこの恐ろしい病気は約半分のお子さんで生後3か月から1歳までの早い時期にかかってしまうので、のワクチンも生後2か月からの早い時期にワクチンの接種を開始する必要があります。
また保育所や幼稚園などの集団保育では、この危険性が2~3倍になりますので、小さいうちから保育所などに入所されるお子さんはなおさら必要性が高くなります。
アメリカなどの先進国では(韓国や台湾も含め)すでに何年も前からこのワクチンを全員のお子さんに接種してきていますので、髄膜炎もほとんどかからなくなり(99%以上減少!)過去の病気になってしまいました。
ロタウイルスワクチンの接種はロタ胃腸炎に対しての有効な手段です。
ロタ胃腸炎は乳幼児ではノロウイルス胃腸炎よりも多く一番多い胃腸炎です。
日本での推計でも一年間で約120万人が発症し、8万人近くが入院して治療を受け、10人近くのお子さんが亡くなっているといわれています。
また脳症と呼ばれる思い脳の病気にもなることがあり、脳症の原因としてもインフルエンザ、突発性発疹に次いで3番目に多い病気です。
この病気も生後数か月で発症して入院することも多く、生後6週からワクチンが接種できますので、早めに接種して下さい。
ワクチンは2種類あり内容や接種回数が違いますが、どちらのワクチンも高い有効性が有ります。
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