北海道アレルギー研究に参加して:食物アレルギーの経口免疫療法について |
先週の土曜日(6月23日)に札幌で開催されました、「北海道アレルギー研究会」に参加してきました。
小児科に関連する内容は、食物アレルギーへの治療として、最近話題になっています、"アレルギーのある食物を食べて治す・・・経口免疫療法"です。
KKR札幌医療センターの小児科の医師が発表されました。
これは過去のブログでも紹介いたしましたが、「"食物アレルギー"の原因となっている食物(例えば、タマゴや牛乳、コムギなど)を、アレルギーがあるからといって禁止するのではなく、むしろ医師の注意深い観察のもとで、ある程度食べさせながらアレルギー症状がどの程度起こるかを診てゆきながら、徐々に耐えられるくらいの原因食物の量を決定して、そのお子さんに今まで食べることが禁止されていた食物を、少量でも食べさせてあげることが出来るようにしてゆく。」という治療法です。
現在までに、20名以上のお子さんにこの治療法を行なってきているとのことです。
その大きな目的は、
1)そのアレルギーの原因となっている食物を食べたいというお子さんの強い動機
2)たまたま間違ってその原因食物を食べてしまうと、予期せぬアナフィラキシーショック(時には生命を脅かすような強いアレルギー反応)を起こしてしまうのではないか・・・という強い不安の解除。
とのことでした。
食べさせることによる強いアレルギー反応を未然に防ぐため、すぐに治療できるようにこの治療法は、小児科病棟に入院して行います。
約1週間から2週間かけて徐々に食べる量を増やしてゆき、保護者の方と相談しながら安全にある程度の量に達したら、通院に切り替えて自宅でアレルギーの原因となる食物を症状が出ない程度に食べ続けてゆくものです。
この治療法は、これからの食物アレルギーの治療法として有望視されていますが、ただ残念なことに、通院中にその食物を食べない期間が続くとまた症状が出てしまうことで、出来ればなるべく毎日でも食べ続けてゆくことが必要のようです。
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