インフルエンザの治療について |
旭川では日増しにインフルエンザ(現在の流行はA型インフルエンザです)の流行が拡大し、学級閉鎖の小・中学校も多くなってきています。
小児科の外来でも高熱の方が多く、検査の結果インフルエンザと診断され、抗ウイルス薬というお薬でインフルエンザの治療を行っています。
インフルエンザの治療薬として使われる、インフルエンザウイルスに有効な抗ウイルス薬は何種類かありますが、大きく分けて3種類の投薬方法が有ります
1番目は一番多く使用されている内服薬(飲む薬)で、商品名は「タミフル」というお薬です。このお薬は原則として1歳以上の方なら使用できますが、異常行動などの事情から10歳代では使用が控えるように指示されているお薬です。粉薬のタイプとカプセルが有りますが体重によって使い分けられます。使い方は診断後なるべく早くに1日2回、5日間服用します。
2番目は吸入のお薬(粉末を吸い込むお薬)で、使用回数が違う2種類のお薬が有ります。1日2回、5日間(計10回吸入します)吸入する「リレンザ」というお薬と、1日1回、1日間(最初の吸入だけで終了します)吸入する「イナビル」というお薬です。どちらも余り小さなお子様では吸入のやり方が難しいので、使用できないようです。また「イナビル」は1回きりの吸入ですので、確かに回数が少なくて簡単なのですが、最初の吸入がうまくできないと効果も少ないためしっかり吸入が出来る年長児以上のお子さんで使用するほうが良いとの意見もありますので、お子さんの年齢や吸入手技の出来方などで判断して処方することが有ります。
3番目は2年前くらいから発売されています新しい点滴のお薬で、「ラピアクタ」というお薬です。このお薬は1歳以下の小さなお子様から成人の方まで体重に合わせて使用する事が出来ます。1回の点滴で20分から30分くらいかかりますが、この1回の点滴でインフルエンザウイルスに対する治療は終了です。ただ点滴などの処置を必要としたりしますので、主にインフルエンザで重症感が有り水分が取れなくて脱水気味で点滴が必要であったり、入院などの処置を必要とするお子様に使用されることが多いようです。
次回は、この抗ウイルス薬以外でインフルエンザの治療に用いられるお薬についてお話しいたします。
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