インフルエンザとマイコプラズマ感染症のシンポジウムに参加してきて |
先週の土曜日(1月7日)に、東京で開催されましたインフルエンザ感染症とマイコプラズマ感染症のシンポジウムに参加して来ました。
インフルエンザ感染症の講演では、インフルエンザワクチンの効能や効果、新しい治療薬を含めた治療戦略、などの話がありましたが、興味が惹かれたのは、徳島大学の先生が、飲みくすりや吸入のインフルエンザの治療薬を使用すると、未使用の方に比べて治癒後のインフルエンザウイルスに対する抗体の上がり方が少ないということでした。
言い換えれば、早期の治療薬の使用でインフルエンザ感染症の症状は早めに良くなるものの、免疫は付きづらいとのことでした。
そのため、今後治療薬を使用してもさらにその後のインフルエンザウイルスに対する免疫もしっかり付くような治療戦略が必要であるというお話でした。
また、今後の治療薬として、インフルエンザウイルスのみならず、他の数種類の重篤なウイルス感染症に有効な開発中の新薬の話題もありましたが、これが使用出来るようになるとさらにウイルス感染症の明るい話題になると思われます。
マイコプラズマ感染症では、札幌の徳洲会病院の先生が、最近話題のマクロライド系の抗生剤に耐性(薬が効きづらい)のマイコプラズマ感染症について講演をされていました。
確かに最近になり、耐性のマイコプラズマ感染症が多くはなったものの、その増殖の力は弱く、耐性であってもマクロライド系というこれまでの薬を使用すると、マイコプラズマという細菌を殺す力は弱くても、この薬の炎症を抑える力により、肺炎やほかの症状を改善させることがよくあるので、マクロライド系の薬が耐性だからといって、改めて新薬などの他の薬を多く使うような状況にはしない方が良いだろうということでした。
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