インフルエンザの治療について |
先週の菅谷先生の「インフルエンザの治療と予防」の講演会の続きです。
今回はインフルエンザの治療薬についてのお話です。
現在インフルエンザの治療に使われているお薬(タミフル、リレンザ、イナビル、ラニラピッドなど)の最近の報告では、
やはり早期(かかってから2日以内)に治療すると、肺炎の発症率が8割以上低下したり、妊婦さんの入院率が5分の1位に低下するそうです。
外国ではこのような薬を早期に使われることが少なく、その結果かつての新型インフルエンザの流行では、アメリカなどでもインフルエンザの流行で日本とは比べ物にならないくらいに死亡する方が多く、1つの州で年間数十人が亡くなったり、イギリスでもインフルエンザによる死亡が日本の5倍くらいに多かったようです
(ちなみにイギリスでは、日本で使用されているタミフルなどのインフルエンザに効くお薬で早期に治療する方は1割以下で、多くの方がインフルエンザにかかると自宅待機を余儀なくされるとのことです!)
して日本では大学病院(慶応)の報告では早期(2日以内)にタミフルなどのお薬で治療される方は8割以上にものぼり、この差が死亡数の違いに出てきているようです。
このような結果から、WHOなどの機関も、新型インフルエンザの流行において日本では諸外国に比べて驚くほど亡くなった方が少ない理由として、
日本での発症早期の医療機関へのアクセスの便利さ(かかってもすぐに医療機関に受診しやすい)と、発症早期(2日以内)のタミフルなどのインフルエンザのお薬の使用をあげており、ほかの先進国も今後日本の治療に見習う動きが出てきているとのことでした。
あまり発症早期の6~12時間以内の受診ではインフルエンザの診断率も低いのですが、48時間以内の投与では効果が有りますので、
インフルエンザの流行時期などでは、適切な時間帯の受診と診断が必要ですね。
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