Home > 子どもの胃腸炎 Archive

子どもの胃腸炎 Archive

旭川では、胃腸炎が大流行しています!


昨日の4日はゴールデンウイーク中の祝日当番医でした。例年この時期の日曜日・祝日当番医は受診者も多く荒れる季節ですが、今回は例年以上に、体調を崩されて受診されるお子様が多かったのでした。

昨日の午前9時から午後6時までの9時間が祝日当番医の時間でしたが、約240名もの方が救急で受診されました。そして何といっても約半数以上の方が吐いたり、腹痛や下痢などの症状の"胃腸炎"でした!

春先はいつもロタウイルス胃腸炎が流行る時期ですが、今回はノロウイルス胃腸炎らしき人も多く、これが流行の1つの原因と思われます。吐き気や下痢がひどければすぐに脱水になりますので、外来で点滴などの処置が必要なお子様も多く、日常生活の手洗いなどをしっかりとして、胃腸炎にかからないようにして下さいね。

 


日本小児科学会北海道地方会にて(3:小児のヘリコバクター・ピロリ菌の感染について)

今回は小児科の学会から、ヘリコバクター・ピロリ菌についてのお話です。この菌は成人では胃潰瘍胃炎などの原因の菌として有名ですが、

小児でも最近はこの菌の感染症による胃腸炎症状や胃潰瘍の病気が報告されてきています。


今回の学会での最初の報告では2名のお子さんが、腹痛嘔吐の症状が出現し、症状がひどいために入院をして胃や食道の内視鏡の検査をしたところ、明らかな潰瘍が認められて、そこからヘリコバクター・ピロリ菌検出されたそうです。

子のお子さん方は、ピロリ菌の感染は初めての方で、初めての感染でこのような強い症状が出てくるお子さんは珍しいとのことでした。

成人の方と同じように抗生物質などの治療で治ったとのことでした。

 

もう一つの報告では、小学生のお子さん重症の鉄欠乏性貧血を繰り返すために、内視鏡の検査をしたところ、十二指腸潰瘍が見つかり、便の検査でもヘリコバクター・ピロリ菌が陽性のため、診断が確定したとのことです。

このお子さんは通常の便の潜血(胃腸での出血の有無を調べる検査)では正常でしたので、なかなか診断が難しかったようです。


 発表した方のお話では、意外とお子さんでもこのピロリ菌の感染とそれによる症状を現すお子さんは多いとのことでした。気をつけなければならないですね。


t_03_p.gifのサムネール画像

 

 

 

 

日本小児科学会北海道地方会にて(2:ロタウイルス胃腸炎の症状)

 

 先日の札幌での小児科医の学会での身近な病気でのお話では、ロタウイルス胃腸炎に関する演題もありました。旭川でも現在、胃腸炎が流行っていますが、そのほとんどがノロウイルスによる胃腸炎と思われます。しかしながらお子さんの胃腸炎ではこのノロウイルスは2番目に多い原因で、一番多い胃腸炎の原因はロタウイルスです。

ロタウイルスは通常春先にはやることが多く、一般的にノロウイルスによる胃腸炎よりも重症になりやすく、そのためワクチン(商品名:ロタテック、ロタリックスなど)が開発され、当院でも多くの小さなお子さんに接種しております。ロタウイルス胃腸炎は最初の感染ほど重くなりやすく、のちに何回もかかって徐々に軽症になってゆきます。この重症の時には脱水やけいれん、脳炎なども起こりやすく、特に小さな赤ちゃんに多いので、もしこの病気にかかってしまったら十分な症状の経過観察が必要になってきます。今回の演題では4歳というもう赤ちゃんの時期ではないやや大きなお子様がこのロタウイルス胃腸炎にかかってしまい、急激に腹痛や不機嫌、ぐったりした感じ等があらわれて、検査の結果"膵炎"という重い病気になっていたとのことでした。幸い入院して色々なお薬を使って無事に回復し元気に退院されたようです。この膵炎という病気はロタウイルス感染症でもごくま稀にしか起こりませんが、重い胃腸炎の時には注意しなければならないということでした。

 ノロウイルス胃腸炎でもロタウイルス胃腸炎でも治療法は同じで、一番大切なことは下痢や嘔吐、食欲不振による脱水を防ぐことなので、電解質を含んだ水分を積極的に与えることですが、あまり水分が摂れなかったり、腹痛や下痢・嘔吐がひどい時はすぐに小児科を受診してください。




ロタウイルス胃腸炎のワクチンのシンポジウムにて

先週で旭川市のポリオワクチンの接種が終了しましたが、外来では4月より続いているウイルス性胃腸炎(殆どがロタウイルスかノロウイルスが原因と思われます)がまだまだ猛威を振るっています。

時間内の診療だけではなく、日曜日や夜間の救急当番医を受診する方でも、一番多い症状が腹痛や下痢・吐き気・脱水の胃腸炎の方のようです。

実は、この流行のためではないのですが、27日の日曜日に東京で開催されました「ロタウイルス胃腸炎から赤ちゃんを守るために」のシンポジウムに参加してきました。


ロタウイルス胃腸炎は、その名の如く"ロタウイルス"が原因の胃腸炎で、お子さんの胃腸炎の中で最も多い原因の胃腸炎です。

病気の重症度としては、ノロウイルスによる胃腸炎よりも重症になりやすく、一般にはあまり知られていませんが、この胃腸炎でけいれんを起こしたり、脳炎や腎不全などの重い腎臓病、低血糖症になることもあり、十分な注意が必要です。

子どもさんの病気の中では時には点滴や入院が必要な病気の代表的な疾患で、日本でも年間3万人くらいの方が入院され、十数名以上のお子さんがこの病期で亡くなったりします。


この病気はほとんどのお子さんがかかりますが、2歳までには90%以上のお子さんが1回はかかり、何回もかかるお子さんも多く10%前後のお子さんは4~5回以上も繰り返してかかるようです。

そのため、予防が第一の病気になりますが、去年の秋からこの病気に対するワクチンが日本でも発売され、小さなお子さんに接種できるようになりました。

残念ながら数回ワクチンを接種しなければなりませんが、回数を重ねるごとに予防効果は高くなり入院を必要とするような重症な胃腸炎はほぼ100%予防できるようです。


マーク.jpgのサムネール画像のサムネール画像

胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス)が流行っているので、気をつけてください

連休明けからは、旭川ではウイルス性(ロタウイルス、ノロウイルスなど)と思われる胃腸炎が流行ってきているので、食事・手洗いに気をつけてください!!

 連休最後の日曜日の6日は、旭川市の夜間救急当番医(夜6時から10時まで)でしたが、60名以上の患者さんが受診されました。特に目立ったのは、吐き気・腹痛・下痢・発熱などの胃腸炎症状の方が多く、約半数近くの方がこれらの症状で受診されました。連休最後の日でしたので、症状が持続し脱水も強い方も多かったので、かなりの方が点滴などの処置が必要でした。 

 

その後、連休明けの外来でも胃腸炎症状の方が多く、この流行はしばらく続きそうな感じです。検査の結果ノロウイルスが検出されたり、保健所や市の広報などでもノロウイルス胃腸炎の集団発生が報告されたりと、流行しやすいウイルス性胃腸炎ですので、ご家庭でも家族内感染や、保育所・幼稚園・学校でも集団感染する可能性が高く、かからないようにしっかりと手洗いやうがいを行なってください。特に手洗いが最も重要な予防手段ですので、一日に何回でも手洗いを心がけて予防してくださいね!!

P1000453.JPG

Index of all entries

Home > 子どもの胃腸炎 Archive

月別リスト
リンク集
タグクラウド
RSS購読

Return to page top