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子どもの病気 Archive

小児科学会の北海道地方会にて(2):溶連菌、失神、誤飲(薬物誤飲)など

 A群溶連菌感染症(溶連菌感染症)では、発熱のどの痛み発疹以外にも腎炎心臓弁膜症など多くの症状が合併しますが、多動や、神経・精神障害などの症状が出てくることもあります。


今回は4歳のお子さんが、多動チックにおいに過敏になったり戸締りを異常に気にしたりなどの精神症状が強く出て査の結果この病気によるものとわかり治療されて良くなっています。


今回は溶連菌感染症としては稀なケースでしたが、この感染症で色々な症状が出現する事を改めて認識させられました。

次の失神についての発表は、それまではてんかんの一種と思われていた病気が、実は検査の結果、自律神経の異常で10秒近くの心停止が見つかり


それまで時々失神で倒れたりけいれんを起こしていた原因が見つかった12歳のお子さんのお話でした。

急に倒れたりすることは低血圧や予防接種などでも起こりますが時には重症のこともある例でした。


誤飲のお話は、6歳のお子さんが突然に歩けなくなり、意識障害も出てきたため入院して検査をしたところ、他の色々な検査では分からず脳波検査で薬物の誤飲(この時は家族の方の精神病のお薬でした)が判明し、治療の結果改善した例でした。

お子さんでは考えられないような誤飲がお薬にしろたばこや身の回りの日用品にしろ起こりえますので、気を付けなければならないですね。

 

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インフルエンザの代わりに溶連菌感染症も流行ってきましたね


 旭川では寒さがまだまだ続いていますが、1月下中旬ころから流行りだしてきたインフルエンザA型の流行もだいぶ治まってきましたが、代わりに最近の外来診療で目立ってきたのが、溶連菌感染症です。インフルエンザと同じく発熱やのどの痛み症状が始まりますが、その後はインフルエンザでは咳や鼻水が多くなってくるのに対し、溶連菌感染症ではあまり目立った咳や鼻水は出てきませんので、症状が出てから何日か経っていますと見分けがつきやすいのですが、症状が出てすぐその日などでは判別がつきにくいこともあります。

中には、発熱と咳と鼻水、そしてのどの痛みで受診され、疑わしいので念のためインフルエンザの検査と溶連菌感染症の検査をした結果、両方の感染症にかかってともに治療が必要な方もいらっしゃいます。

溶連菌感染症は毎年、新学期が始まる暖かくなってきた春先から流行ってくることが多いのですが、今年はこの時期でやや溶連菌感染症の方が多くなってきたようです。感染の拡大を防ぐために、インフルエンザと同じく登校・登園停止などの対処が必要になりますので、お子さんにこのような症状が出てきたときには気を付けてください。

 

感染症(百日咳、マイコプラズマ、インフルエンザ)のシンポジウムにて:1

 一昨日の土曜日(1月5日)は、東京でのシンポジウムのために外来を少し早めに終了させていただきました。このシンポジウムでは百日咳マイコプラズマ感染症インフルエンザ感染症などのお話がありました。 

 1)百日咳は最近では子どものみならず成人の方の報告も多くなり、家族内の感染や学校内・職場内の感染も重要な問題になって来ています。子どもさんでも成人の方でも百日咳の診断は意外と難しいものですが、一番の決め手はやはり家族や学校など周囲の方に同じような長引く咳の症状の方がいらっしゃるかどうかです。このような環境で2~3週間以上咳が続く場合は要注意になりますので、単なる風邪かなと思わないで医師の診断をしっかりと受けてください。最近ではこの病気のスタンダードな検査も改善され、抗体価(百日咳毒素の抗体を調べます)などの血液検査を用いて診断を確定してゆくことも多くなりました。

 2)マイコプラズマ感染症も昨年は旭川でもかなり流行し、気管支炎や肺炎にまで至るお子さんもかなりいらっしゃいましたし、今年に入っても例年以上に肺炎の方も多く、気をつけなければならない病気ですが、最近の話題はやはり家族内や学校などの集団内の感染と、抗生物質に効かない(耐性と言います)マイコプラズマ肺炎が多くなってきていることですね。成人ではこの耐性のマイコプラズマ感染症はあまり有りませんが、小児ではこの問題が最近になり大きくクローズアップされてきています。旭川でも今までの抗生物質の効きが悪く肺炎にまでなるお子さんも比較的多く受診されていますので、咳や微熱の続くお子さんは早目に病院を受診されてください。

 次回は、そろそろ流行りだしてきましたインフルエンザについての話題です。

 



札幌の"ミュンヘン市"に行って来ました!

昨日はクリスマスイブでしたが、皆さんはどのように過ごされましたか?

私はちょうど連休でしたので、札幌の大通公園で開催されています"ミュンヘン市"に行ってきました(^_^)/

屋外の催しでかなり寒かったのですが、親子連れの方や観光客の方などで賑わっていました。

 このような催しものでも、やはりお目当ては食べもの!(^o^)

 というわけで、色々と食べ歩いてしまいました。まず美味しかったのは「アイスバイン」北海道産の牛肉を使い、なかなかいい味を出していて身体もすっかり暖まりました◎

ついでに近くで目に付いた「ホットワイン」にも手を出して、すっかりほろ酔い気分です(*^^*)

あとは、色とりどりのソーセージ酢漬けキャベツアーモンド菓子などなど・・・・これで寒くなければビールでも!(^^ゞ の雰囲気で観て回ってしまいました☆


 お土産は、この季節でしか作られていない「シュトーレン」を買って、心残りではありましたが、旭川への帰路へ~~

 また来年も行こうかな・・ (^^ゞ ♪

 

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日本小児科学会北海道地方会にて(1:マイコプラズマ感染症の診断)

 一昨日の日曜日(12月1日)に、札幌において北海道の小児科医の学会が開催され、マイコプラズマ感染症を始め、小児の病気に関する様々な話題が出され、皆さんの身近にある病気のお話もありましたので、いくつかお伝えしたいと思います。

 まずマイコプラズマ感染症ですが、この病気は今年の秋にもかなり流行いたしまして、現在でもその患者さんが時々外来を受診されていらっしゃいます。皆さんの中でもこの病気の名前を耳にされた方も多くいらっしゃるかと思いますので、その診断も簡単なものかと思われるかもしれませんが、実際に外来を受診された患者さんで、マイコプラズマ感染症が疑われる患者さんは少なからずいらっしゃいますが、確かにマイコプラズマ感染症だと診断することはそう簡単にではありません

今までの診断法でかなり高い確率でマイコプラズマ感染症と診断するには、のどから培養で確認するには数日間かかりますし、一般的な血液検査でマイコプラズマの抗体と言うものを調べるのにも早くて数日間、時には2~3週間後に再度血液検査をして、両方を比べてからではないと、確かな診断は出来ないというものでした。

今回の発表では、マイコプラズマ検査の中での"ランプ法"という簡単なのどからの検査で、医療機関の検査体制によっては当日かもしくは2~3日後にはマイコプラズマ感染症かどうかの確かな診断ができるという結果でした。この検査法は、最近になり医療保険が使えるようになりましたので、今後は検査体制の拡充などにより、小児診療の場で(特に私たちクリニックなどの第一線の診療の場で)マイコプラズマ感染症の診断が簡単にさらに迅速にできるようになることが期待されますね。


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小児の牛乳アレルギー・・・・便秘、腹痛、嘔吐などの小児の消化管の機能障害との関係


先週の土曜日(10月13日)に札幌で、講演会がありました。話題はお子さんのおなかの病気(便秘、腹痛、下痢、お腹の張り)と牛乳アレルギーとの関係についてです。演者は大阪の母子保健総合医療センターの位田先生でした。

 お子さんの中で、6か月以上お腹の痛みや、便秘、下知、吐き気が続くときに「機能性腸疾患」という考え方で病気を診てゆくそうです。そしてこの病気や症状を示すお子さんの中で、ある割合で牛乳アレルギーのお子さんが見つかり、その治療で症状が改善することがあるとのことでした。

 欧米ではミルクアレルギーの診断として、嘔吐と血便をポイントにして、この場合血液検査でIgEという検査が陽性であれば、ミルクアレルギーの可能性が高いらしいです。

 大阪の病院では、重度のお腹の張りで受診される方のうち、ミルクに反応する検査結果などから、約半分以上の方にミルクアレルギーが疑われるそうです。また便秘の重症のお子さんでも、同じような検査で6割くらいが陽性に出て、ミルクアレルギーとの関係が疑われるようです。

 小さなお子様で、お腹の症状で受診される方の中にはこのミルクアレルギーを考えなければならない方もいらっしゃるのではないかなという印象でした。

 最後に大阪母子保健総合医療センターでの、職場環境の改善のお話をされていました。母子保健という施設の特徴から、職員としてそして母親として働く方も多く、その仕事へのサポートとして、早くから育児への勤務時間の時短(勤務時間の短縮)や、センター内での職員が利用しやすいような保育施設の充実を進めており、この職場環境の改善が結果母親として働く方以外にも好影響を与えて、職員全体の仕事への環境改善をもたらしたとのことでした。

小児呼吸器疾患シンポジウムに参加して:2)子どもさんの長引く咳について


シンポジウムの
2番目の演題は、東海大学医学部小児科の教授の望月博之先生のお話でした。内容は、子どもさんの長引く咳についてです。

長引く咳は俗に"慢性咳嗽"とも呼ばれ、しつこい咳のために病院を受診される方が時々見られますが、この際に気をつけなければならないことと、考えられる病気についてのお話でした。

 小児でも大人と同じように、慢性咳嗽についてのガイドラインがありますが、診察の際に特に注意しなければならないのは、どのような咳が(湿った咳か、乾いた咳か)、一日の中でどの時間帯に、いつくらいの期間が持続するのかという事を丹念に調べることです。

そして実際の診察の時には、胸の音を詳しく聴き、ぜーぜーなどの喘鳴が入らないかどうかの確認も必要になってきます。

頻度の多い病気としては、風邪、喘息、蓄膿症、胃食道逆流症、心因性、タバコなどですが、これらの病気の咳を見分けるために、"湘南カフカ"という、咳のときの周波数を検出する検査機器を開発されて、実際の病気のお子さんでどのように違うかを示されていました、それによりますと、心因性や喘息、風邪の咳などの見分けがある程度できるようです

それにより的確な治療法の選択ができますね。

たかが咳ですが、長引く咳や夜間の咳は、周囲の家族の方も辛いので、このような新しい知見が多く出てきて、早く実際の診療の場面で役立てることができるようになると良いですね。

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