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2011年7月 Archive

乳幼児やおなかの赤ちゃんの受動喫煙について

先週の土曜日に、旭川医科大学小児科の同門会の講演会があり、以下の講演を聞いてきました。


演題:「家庭内喫煙による乳幼児の受動喫煙」

講師:札幌市保健福祉局保健所長 矢野 公一先生


内容は、妊娠中の喫煙が、いかにおなかの赤ちゃんに影響するか。また、家庭内の喫煙でお母さんやお父さんが喫煙していると、同居しているお子さんの受けるタバコの影響(たばこを吸っていない人にも影響を与える"受動喫煙"といいます)について、講演して頂きました。

妊娠中のお母さんがタバコを吸うと、ニコチンや一酸化炭素の影響でおなかの赤ちゃんに十分な栄養や酸素が届かなくなり、流産のリスクが高い人では2倍くらいになり、早産のリスクも高い人では6倍くらいになるそうです。また、1日10本以上喫煙するお母さんから生まれてくる赤ちゃんの体重は平均して450gくらい小さく生まれてきます。

また、出産後のお父さんやお母さんの喫煙は、あかちゃんの成長や健康に悪い影響があります。喫煙しているお母さんの母乳には、お母さんの血液中の約3倍に濃縮されたニコチンンが含まれています。お母さんが喫煙していなくても、お父さんや同居の家族の方が喫煙していると、お子さんの病気の発生率が高くなり、気管支喘息は約2倍、中耳炎は約1.5倍、肺炎・気管支炎も約2倍病気にかかりやすくなります。そして、ワクチン後の突然死で話題になりました、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率は、両親とも喫煙している家族では約5倍も高くなるそうです。

平成23年の小児循環器学会学術集会に参加してきました

7月7日・8日の2日間、福岡で開催されました、第47回日本小児循環器学会学術集会に出席してきました。

今年の学術集会では、小児の心臓病の診断や治療に関してさらに新たな進歩が報告されていましたが、特に記憶に強く残ったのは、突然死のワークショップでした。

この突然死は幼児や学童などが対象でしたが、学校で行われている心電図検診の重要性や、それによって見つかる危険性の高い不整脈(WPW症候群やQT延長症候群など)の管理について討論されました。

また、その場合の対処の方法として、AEDの活用が挙げられています。
AEDは今や全国のほとんどの学校や公共機関に装備されていますが、遅れての対応では死亡率や後遺症の改善が悪く、救急隊の到着を待つ以前に、すぐ現場(学校や幼稚園・保育所など)での使用が求められています。
3分以内でAEDが開始された場合の助かる率は75%もありますが、実際にAEDが開始された時間は平均8分くらいとのことですので、これをいかに早くAEDを開始できるか、それが小児の突然死の救命率を上げる重要なポイントになるでしょうね。

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