Home > Archives > 2011年11月 Archive

2011年11月 Archive

第48回日本小児アレルギー学会より(その1)

先月末に福岡で開催されました、日本小児アレルギー学会の学術大会に出席してきました。


一日目の午前中では、教育講演5での「環境整備と薬物療法:どちらを重視していますか」という講演を興味深く聞くことが出来ました。


アレルギー疾患にとっていかに環境整備が重要か、特にダニ、ホコリに関しては殆どの患者さんでこれらが悪化因子になっているので、薬物療法に頼り切らずに、環境整備として室内のダニホコリの少ない環境をいかに維持させるか


またペットについてもそれがアレルギーの悪化因子となり、薬物でのコントロールが難しい場合は、適度の制限させる必要性があることなどが力説されていました。


さらに、家庭環境で問題になるのは、タバコの影響です。タバコはそれを吸っている人の健康の害だけではなく、同居されている家族・子供への影響が強く、喘息を持っているお子さんの家庭では、強く禁煙をすることを力説していました。


最近の傾向として、ロイコトリエン受容体拮抗薬、吸入ステロイド薬、長時間作動性の気管支拡張薬など薬物療法での有効性の高いものが、いろいろと小児にも使用されてきていますので、以前に比べて重症の喘息の患者さんが少なくなってきましたが、これらの薬物療法と並行して、さらながらアレルギーの悪化因子となっている環境におけるアレルゲンへの対策を怠らないことを、改めて認識させてもらえた教育講演でした。

ロタウイルス胃腸炎予防の、新しいワクチン(商品名:ロタリックス内服液)について

幼児の胃腸炎の最大の原因はウイルス性胃腸炎すが、その中でも最も頻度が多くかつ重症になりやすいものが、ロタウイルス胃腸炎です。この胃腸炎は、世界中のほぼ全員が5歳までに一度はかかるといわれるくらい頻度の多い病気です。

日、院内でこのロタウイルス胃腸炎に予防効果があるワクチン(商品名:ロタリックス内服液)についての説明会がありました。

このワクチンは、海外では数年前から接種が行われており、120か国以上の国々で接種されていますが、日本でもやっと接種できるようになり、11月中旬に発売予定です。

接種方法は、後6週(生後1か月半)から生後24週(生後6か月)までの間に、4週間以上の間隔をあけて2回接種します。このワクチンは内服液ですので、お注射ではなくポリオワクチンのように飲むワクチンです。
BCGやポリオのワクチンの接種からは4週間以上、b型インフルエンザ菌ワクチンや、肺炎球菌ワクチン、3種混合ワクチンの接種からは1週間以上空けばこのワクチンを飲ませることが出来ます。

副反応として目立ったものはなく、ぐずりが7%、下痢が3%などです。

このクチンは、公費負担のある上記のワクチンと違い、接種費用は自費になりますが、現在のところ接種費用がどのくらいかは未定す。参考として海外では100ドル(日本円にして8000円くらい?)程度だそうです。

ロタウイルス胃腸炎は、毎年冬から春にかけて流行しますが、この流行に間に合うように発売されることになり、小さな赤ちゃんには朗報です。願わくば、高価なワクチンですので、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンのように、公費負担で無料になることができると良いですね。

Index of all entries

Home > Archives > 2011年11月 Archive

Calendar
« 2011 11 »
S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
月別リスト
リンク集
タグクラウド
RSS購読

Return to page top