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2012年7月 Archive

夜尿症(おねしょ)について

  • Posted by: tsuchida
  • 2012年7月31日 16:23
  • 夜尿症

 

今回は、夜尿症について、もう少しお話をさせていただきます。

夜尿症は、夜眠っている間に体でつくられるおしっこの量と、その尿をためる膀胱の大きさとのバランスがとれていないために起こります。

頻度は小学校入学前で10~20%小学校高学年で5%くらいと言われています。

夜尿症のタイプでは、水分を多く取る習慣ホルモンの分泌が少ない「多尿型」膀胱が小さいために起こる「膀胱型」、その両者が原因の「混合型」があります。

それぞれにより治療法が違いますが、水分制限やお薬などでの適切な治療で1年間に約2~5割の方が治ると言われています。

ただ、なかには治りにくい夜尿症もあり、

・寝てすぐに夜尿が見られたり、一晩に2~3回みられる

・昼間にも尿漏れや頻尿がある

・塩分や水分を取りすぎる傾向がある などの方は夜尿症が治りづらいとも言われています。

 

それでも、焦らずにお子様に接してあげることが一番ですので、ご家庭で出来ることの対策として、以下のことをしてあげてください。

1)無理やり夜中に起こさない

2)水分の摂り方は、朝や昼に多く取り、夕食は早めにとってその後は水分を制限する

3)規則正しい生活のリズムを作る

4)就寝中の寒さ(冷え)に気をつける

5)おしっこを我慢する訓練を続ける

 

   小学校の大きなお子様でも、20人に一人や二人くらいは夜尿症がありますので、あまり神経質にならずに、いずれは治るもの!というふうに、気長に様子を見てあげることも大事ですね

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夜尿症の薬について

  • Posted by: tsuchida
  • 2012年7月27日 16:37
  • 夜尿症


最近、夜尿症の薬で新しい薬が発売されました。

バソプレッシンという、おしっこが出るのを抑えるホルモンのお薬です。

このホルモンのお薬は以前に、点鼻薬(てんびやく)という鼻に直接入れる薬が使われていましたが、今回のお薬は飲むお薬ですしかも、口に中で溶けるお薬ですので、水なしでも飲めます! 

夜尿症の生活習慣の改善で、夕食後の水を飲むことが制限されている夜尿症の患者さんにとっては、嬉しい薬ですね。
 

夜尿症の原因は色々ありますので、特にこれだけの治療をしていれば良いというものではないのですが、基本的にはやはり夕食後の水分の制限でしょうね。

しかしながら、いくら一生懸命水分制限をしても夜尿が続くお子様がいらっしゃいますので、そのような場合にはこの薬が有効なことがあります

有効性も高いので、気になる方がいらっしゃいましたら、一度何かで外来を受診されたときにでもご相談ください。

最近は、以下のようなサイトもありますので、参考になるかもしれません。

「夜尿症(おねしょ)ナビ」で検索されると出てきます。

または、こちら   http://www.kyowa-kirin.co.jp/onesho/


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9月1日から、不活化ポリオワクチン(商品名:イモバックスポリオ)が接種開始予定です


 今年の春のポリオの生ワクチンの接種は、副作用の心配もあり、全国的に接種率が低かったようです。今回新たに開始される予定の不活化ポリオワクチン(イモバックスポリオ)は、この副作用が見られない、皮下注射による安全なワクチンとして、日本で認可されました。

このままの予定で行けば、9月1日から自治体の公費負担により、無料で接種が開始できるようになります。

1982年に欧州で承認されて以降、世界中の86か国で接種されている安全性の高いワクチンです。このワクチンは接種したお子さんの便にウイルスが排泄されることも無く、そのため排便後の手洗いに注意したり、周囲の人に伝染する事もありません。

早ければ生後3か月のお子さんから接種を開始することができます。2回目以降は3~8週間の間隔をあけて3回接種して、初回の接種が完了します。これによりほぼ100%の防御効果があるようです。

今までに時期が過ぎていて、ポリオワクチンを接種していない大きなお子さんでも、7歳6か月までは接種することができます。またポリオの生ワクチンを1回飲んでいるお子さんでは、あと2回このワクチンを皮下注射することにより、初回の接種が完了します。

三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)やヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンとの同時接種も可能です。

詳しくお聞きになりたい方は、気軽にスタッフにお尋ねください。

 

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海の日(7月16日)に、山の温泉で一息

  • Posted by: tsuchida
  • 2012年7月17日 10:45
  • その他

7月の連休の最終日の海の日(7月16日)の午後から、海ならぬ山に行ってきました。

山といっても登山ではなく、行先は上富良野町にある"十勝岳温泉"!・・・

目指すは最終地の凌雲閣の露天風呂。そうです山登りならぬ温泉めぐりでした。


昼過ぎに旭川を出て、目的地の十勝岳温泉に着いたのは3時くらいでした。

途中、美瑛や上富良野では真横に十勝岳連山を眺めながら、色とりどりの花が咲いている丘を巡って北海道最高地(なんと標高は1290m!)といわれる、十勝岳温泉街の最奥にある温泉宿の凌雲閣です。

もちろん宿泊はできないので、日帰り温泉でしたが、ここの露天風呂からは、

目の前が十勝岳で、すぐ手が届きそうなところに"安政火口"という火口が見えるので、地上界とは別天地のようなところでの露天風呂でした。

たまには、このような所で、一息入れるのもまた良しでしたね。

  


一枚目の写真は、凌雲閣温泉の全景です。山深い温泉で、さすが道内最高地の温泉宿で、十勝岳登山の登山基地にもなっています。

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二枚目の写真は、すぐ目の前にそびえる十勝岳連山と、安政火口です。露天風呂から眺めていると、しばし時の経つのも忘れてしまいそうな、ゆっくりとした時間が過ぎてゆきます。(もちろん、露天風呂は撮影禁止ですので、この写真は凌雲閣傍からの写真です。)

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気管支喘息とアレルギー性鼻炎との関連


先週の土曜日に、旭川で道北小児アレルギー研究会が開催され、気管支喘息とアレルギー性鼻炎との関連について発表させていただきました。

もともと気管支喘息とアレルギー性鼻炎は同じくアレルギーによって起こる病気です。


そのため、お互いに合併しやすく小児喘息の半分以上の方が合併しています。

そこで今回、アレルギー性鼻炎と小児気管支喘息がどのくらい合併しているか、またお互いに調子が悪いとどのように影響しているかを、当クリニックと、道北、オホーツク圏の4つの病院で共同に調査してみましたSACRAスタデイという調査でした)。


保護者の方からのアンケートの結果ですが、両方を合併しているお子さんは半分以上あり、やはりアレルギー性鼻炎が合併しているお子さんは喘息の状態もあまり調子が良くなく、しかもアレルギー性鼻炎の症状が重い方ほど、喘息の状態も悪い傾向にありました。

このことから、小児の気管支喘息を診てゆく場合には、アレルギー性鼻炎の合併にも注意しながら、両方の病気の状態を良い状態に保つようにしてゆくことが大切ですね。

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アトピー性皮膚炎とアレルギー性結膜炎の講演会にて


 6月30日の講演会の最後の3番目の話題は、「ゴールを目指したアトピー性皮膚炎の治療」という題で、京都府立医科大学の皮膚科の教授のお話でした。

お話の要点は、"アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の治りづらい病気ですが、適切な治療法で症状をコントロールしてゆくと治ることが期待できる病気"ということです。

そのコントロールするという中で強調されていたのは、

1)症状が再び悪化した時の治療の再開が遅すぎること。

2)再び治療を開始しても、早めに薬を止めたいために治療を中断する時期が早すぎる。 

3)症状がかなり悪化するまでは受診しないために、それからの治療が難渋する。 ということでした。


では、アトピー性皮膚炎は一体どのくらいの割合で治るのでしょうか?
 

今回のお話では、ドイツからの報告として、1歳の時でのアトピー性皮膚炎の有病率は13%程度2歳の時のアトピー性皮膚炎の有病率は21%ですが、これらの患者さんに適切な治療をすることにより、3歳の時点ではこのうちの約4割近い方が治り、7歳では約8割以上の方でアトピー性皮膚炎が治るとのことです。

治りにくい要因としては、2歳の時のアトピー性皮膚炎の状態が重症であったこと。

家族の方にアトピー体質の方がいらっしゃること。

本人に強い食物アレルギーがあること。

などが挙げられるようです。

また、日本では三重県のデーターを示され、6歳の時点でもまだアトピー性皮膚炎が残っている方でも、しっかりと治療をすれば中学生になる頃には三分の二以上のお子さんでアトピー性皮膚炎が治るそうです。

長く続いてなかなか治らないからといって治療を止めずに、しっかりと治療することによって、アトピー性皮膚炎の状態はかなり改善するようです。
 ただし治療を継続するときに注意しなければならないことは、
1) 再び皮膚の症状が悪化した時には早めに治療を開始すること(ヨーロッパのデーターでは、悪化してから受診するまでに一週間以上受診しないで様子を見ている期間があり、このことが湿疹を治りにくくしているようです。)
2) 治療を一旦開始しても、しっかりと良くならないうちに治療をやめてしまう傾向があるので、湿疹が治ったように見えても、肌がしっかりと"触ってつるつる"になるまで薬で治療し、中途半端な治療状態でやめないこと。

以上のことに気を付けてしっかりと治療すれば、アトピー性皮膚炎のゴールが見えてくる! と話されていました。

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アトピー性皮膚炎とアレルギー性結膜炎の講演会にて

 6月30日の講演会の2番目の話題は、「アトピー性皮膚炎の新しい話題と皮膚のライブイメージング」という題で、京都大学皮膚科の准教授のお話でした。

アトピー性皮膚炎の発症する機序について、1)皮膚バリアの機能異常であること、2)患者の方に免疫的・アレルギー学的な異常があること、3)かゆみの異常が強いこと、の3つの大きな要素について話していただきました。

皮膚バリアの機能異常免疫学的な異常については、最近の研究では「フィラグリン遺伝子の異常」が大きく取り上げられているようでした。

この遺伝子の異常が一部の方に認められ、この異常により患者さんの皮膚のバリア機能に異常をきたし、カサカサの肌になり、皮膚の保水性(水分やうるおいを保つ能力)が落ちて、その結果かゆみも強くなってきて、湿疹の変化が起こり、アトピー性皮膚炎の状態になってくるということのようです。

この遺伝子の異常はアトピー性皮膚炎のみならず、気管支喘息や食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などの発症にも関与するそうです。

また皮膚のかゆみが強く、その結果何回も何回も掻き壊してしまうと、皮膚の細胞からアトピー性皮膚炎になりやすい物質TSLPTARC/CCL17などと呼ばれているものです)が多く産生され、さらにそれがアトピー性皮膚炎を悪化させるということも分かってきたようです。

まとめますと、アトピー性皮膚炎は皮膚のバリアの機能異常によって起こる病気で、それがかゆみなどの症状で皮膚を強く掻き壊して、さらに皮膚のバリアの機能異常を増悪させる悪循環が、なかなかアトピー性皮膚炎が治らない要因といえそうです。

アトピー性皮膚炎を治すには、皮膚のケアとかゆみのケアがまず第一と言えるでしょう。


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アトピー性皮膚炎とアレルギー性結膜炎の講演会にて・・・そして平原綾香に「ドキッ!」

先週の土曜日(6月30日)に東京でアトピー性皮膚炎とアレルギー性結膜炎の講演会(かゆみ治療のアップ・トゥ・デート2012)に参加してきました。

主な話は、かゆみの強いアトピー性皮膚炎とアレルギー性結膜炎のお話とその治療についてです。

一番目のお話は、「アトピー性皮膚炎に合併するアレルギー性結膜疾患」という題で、東京女子医科大学の眼科の教授のお話でした。アトピー性皮膚炎の患者さんでは顔のかゆみが強いと、何回も顔や目の周りをこすったり叩いたりするので、眼瞼(まぶた)や結膜(しろ目)、角膜(くろ目)が傷つき、これらの炎症が起こったり、ひどい時には白内障や網膜の剥離も起こすことが有ります。

これらの病気はアトピー性皮膚炎の治療で使われるステロイドの塗り薬の副作用ではなく、皮膚が痒くて繰り返し顔をこするためで、薬を勝手に止めないでしっかりと皮膚の治療をすることが大事ということです。また重症で網膜剥離などで手術をした場合でも、皮膚のかゆみが強ければ手術後もまた目をこすったり叩いたりするので、再発のリスクが高いとのことです。

症状は主に目のかゆみや目の痛み、視力障害などです。アトピー性皮膚炎のお子さんにこれらの症状が出てくるときには注意してみてあげる必要があります。

これとは別に、アトピー性皮膚炎が合併していないお子さんにもアレルギー性結膜炎が発症することがあります。アトピー性角結膜炎や春季カタルという病気です。これらの治療には主に点眼薬が用いられます。使用する点眼薬は、かゆみを抑えるために抗アレルギー薬の点眼薬が多く使用されます。最近では涙と同じ浸透圧のしみない目薬も発売されていますので、受診の際によく相談されてみてください。また毎年同じ時期に発症するときには、その時期の1~2週間前から治療を開始すると効果も高いそうです。

他に、皮膚科の先生によるアトピー性皮膚炎のお話がありましたので、次回にご紹介しましょう。

 

翌日の日曜日には、帰る途中に札幌に寄り、ニトリ文化ホールで公演されました、平原綾香のコンサートツアー2012~ドキッ!~を観てきました。

開始早々の赤いドレス、可愛かったですね。途中からは観客もノリノリになり、10代から80代(?)の全員が、総立ちでしたねェ(n'∀')η。

今回のコンセプトは"スマイル スマイル"。笑顔で人を暖かくすると共に、どんな辛い時でも笑顔で前をむいて歩けばきっといいことがある!!

みんなも笑顔でガンバリましょうね!

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