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アトピー性皮膚炎とアレルギー性結膜炎の講演会にて


 6月30日の講演会の最後の3番目の話題は、「ゴールを目指したアトピー性皮膚炎の治療」という題で、京都府立医科大学の皮膚科の教授のお話でした。

お話の要点は、"アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の治りづらい病気ですが、適切な治療法で症状をコントロールしてゆくと治ることが期待できる病気"ということです。

そのコントロールするという中で強調されていたのは、

1)症状が再び悪化した時の治療の再開が遅すぎること。

2)再び治療を開始しても、早めに薬を止めたいために治療を中断する時期が早すぎる。 

3)症状がかなり悪化するまでは受診しないために、それからの治療が難渋する。 ということでした。


では、アトピー性皮膚炎は一体どのくらいの割合で治るのでしょうか?
 

今回のお話では、ドイツからの報告として、1歳の時でのアトピー性皮膚炎の有病率は13%程度2歳の時のアトピー性皮膚炎の有病率は21%ですが、これらの患者さんに適切な治療をすることにより、3歳の時点ではこのうちの約4割近い方が治り、7歳では約8割以上の方でアトピー性皮膚炎が治るとのことです。

治りにくい要因としては、2歳の時のアトピー性皮膚炎の状態が重症であったこと。

家族の方にアトピー体質の方がいらっしゃること。

本人に強い食物アレルギーがあること。

などが挙げられるようです。

また、日本では三重県のデーターを示され、6歳の時点でもまだアトピー性皮膚炎が残っている方でも、しっかりと治療をすれば中学生になる頃には三分の二以上のお子さんでアトピー性皮膚炎が治るそうです。

長く続いてなかなか治らないからといって治療を止めずに、しっかりと治療することによって、アトピー性皮膚炎の状態はかなり改善するようです。
 ただし治療を継続するときに注意しなければならないことは、
1) 再び皮膚の症状が悪化した時には早めに治療を開始すること(ヨーロッパのデーターでは、悪化してから受診するまでに一週間以上受診しないで様子を見ている期間があり、このことが湿疹を治りにくくしているようです。)
2) 治療を一旦開始しても、しっかりと良くならないうちに治療をやめてしまう傾向があるので、湿疹が治ったように見えても、肌がしっかりと"触ってつるつる"になるまで薬で治療し、中途半端な治療状態でやめないこと。

以上のことに気を付けてしっかりと治療すれば、アトピー性皮膚炎のゴールが見えてくる! と話されていました。

t_04.gifのサムネール画像


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