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2012年5月 Archive

ロタウイルス胃腸炎のワクチンのシンポジウムにて

先週で旭川市のポリオワクチンの接種が終了しましたが、外来では4月より続いているウイルス性胃腸炎(殆どがロタウイルスかノロウイルスが原因と思われます)がまだまだ猛威を振るっています。

時間内の診療だけではなく、日曜日や夜間の救急当番医を受診する方でも、一番多い症状が腹痛や下痢・吐き気・脱水の胃腸炎の方のようです。

実は、この流行のためではないのですが、27日の日曜日に東京で開催されました「ロタウイルス胃腸炎から赤ちゃんを守るために」のシンポジウムに参加してきました。


ロタウイルス胃腸炎は、その名の如く"ロタウイルス"が原因の胃腸炎で、お子さんの胃腸炎の中で最も多い原因の胃腸炎です。

病気の重症度としては、ノロウイルスによる胃腸炎よりも重症になりやすく、一般にはあまり知られていませんが、この胃腸炎でけいれんを起こしたり、脳炎や腎不全などの重い腎臓病、低血糖症になることもあり、十分な注意が必要です。

子どもさんの病気の中では時には点滴や入院が必要な病気の代表的な疾患で、日本でも年間3万人くらいの方が入院され、十数名以上のお子さんがこの病期で亡くなったりします。


この病気はほとんどのお子さんがかかりますが、2歳までには90%以上のお子さんが1回はかかり、何回もかかるお子さんも多く10%前後のお子さんは4~5回以上も繰り返してかかるようです。

そのため、予防が第一の病気になりますが、去年の秋からこの病気に対するワクチンが日本でも発売され、小さなお子さんに接種できるようになりました。

残念ながら数回ワクチンを接種しなければなりませんが、回数を重ねるごとに予防効果は高くなり入院を必要とするような重症な胃腸炎はほぼ100%予防できるようです。


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本日で旭川市のポリオワクチンの接種が終了しました

今週の月曜日から一週間続いた、旭川市の生ポリオワクチンの接種が終了しました。

今年の9月から不活化ポリオワクチンの接種が開始される予定になっていますので、今春のこの一週間が、生ポリオワクチンの最後の接種になるかもしれませんね。

この不活化ポリオワクチンについては、このブログの話題でも何回も取り上げたワクチンですし、最近になり全国的な生ポリオワクチン接種率の低下が報告され、大体70~75%程度の接種率との報告が有りましたので、旭川市の接種率がどのくらいになるのか心配していました。

そこで、当クリニックでのこの一週間の生ポリオワクチンの接種者数を調べてみましたところ200人弱の方が接種されていました。例年ですとこの時期にポリオワクチンを接種された方の数は、大体20人前後ですので、ほぼ8割程度のお子様が接種されたようです。

今回体調が悪く、ポリオワクチンを接種できなかったお子様は、9月から始まる不活化ポリオワクチンに備えて、他のヒブワクチン肺炎球菌ワクチン三種混合ワクチンなどを済ませておくようにしましょう☆


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旭川では今日から1週間、ポリオの生ワクチンが接種できます

 本日の月曜日から土曜日までの1週間にわたって、旭川ではポリオの生ワクチンが接種できます。

今回は不活化ポリオワクチンが9月から接種が開始される影響で、去年までに比べて、ポリオワクチンを接種するお子様の数が減少することが予想されます。

今月初めからポリオの生ワクチンが開始されている札幌市では、7割くらいのお子様が生ワクチンを接種している現状のようです。


旭川の接種率はどのくらいになるでしょうね。

ワクチンによる予防医学の観点からは、なるべく多くのお子様が生ワクチンにしろ不活化ワクチンにしろ接種して、全体として免疫が付いているお子様が多いと良いのですが。。。(u_u)


話は変わりまして、昨日は旭川医科大学小児科学教室の新人歓迎会が開催され、出席してきました(^^ゞ

全国的に小児科医師不足が叫ばれ、小児医療(特に小児救急医療)の荒廃が危惧されている中、3人もの小児科を志す若い医師が入ってきてくれたことは、本当に嬉しいことですね

 30年前の自分の頃はどうだったかなと、しばし感慨にふけりましたが、まだ老け込む年では無いので、若い人からも活力をもらって、まだまだ頑張らねば!!(^o^)


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旭川市のポリオ不活化ワクチンの導入について

 

 最近、このブログでも何回か取り上げましたポリオ不活化ワクチンについて、先日、旭川市保健所と旭川市医師会の連絡会議でも議題の一番最初に上ったようです。

 

旭川市の方針としては、今後の予定として「"ポリオ不活化ワクチン"につきましては、5~6月以降に、国から市町村(旭川市など)に周知される具体的な実施方法を踏まえ、旭川市医師会と協議を行い、乳幼児等予防接種事業委託契約の変更を進めるとともに、合わせて市民周知を行い、決定ではありませんが9月1日からポリオ不活化ワクチンの接種を開始する予定です。」との話し合いが行われたそうです。


 ここ数年間に、同じようにヒブワクチン肺炎球菌ワクチン子宮頸がんワクチンが、無料(国や自治体などの公費負担のため)で接種できるようになってきましたが、たぶん今回のポリオ不活化ワクチンも同じような経過で接種が進められるようになるかと思います。その時期については話し合いの中にもありましたように、ここ1~2か月以内に国の方針が示されるようになったなら、また新聞等の報道でも皆様のお目に止まるかと思いますが、旭川市でもポリオワクチン接種について市民の皆様への周知を行うとのことですので、市民広報や旭川市のホームページなどにも目を通しておく必要がありますね。

もちろん、具体的な経過がわかり次第、当院のホームページやブログなどでアップしてゆきますね。

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胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス)が流行っているので、気をつけてください

連休明けからは、旭川ではウイルス性(ロタウイルス、ノロウイルスなど)と思われる胃腸炎が流行ってきているので、食事・手洗いに気をつけてください!!

 連休最後の日曜日の6日は、旭川市の夜間救急当番医(夜6時から10時まで)でしたが、60名以上の患者さんが受診されました。特に目立ったのは、吐き気・腹痛・下痢・発熱などの胃腸炎症状の方が多く、約半数近くの方がこれらの症状で受診されました。連休最後の日でしたので、症状が持続し脱水も強い方も多かったので、かなりの方が点滴などの処置が必要でした。 

 

その後、連休明けの外来でも胃腸炎症状の方が多く、この流行はしばらく続きそうな感じです。検査の結果ノロウイルスが検出されたり、保健所や市の広報などでもノロウイルス胃腸炎の集団発生が報告されたりと、流行しやすいウイルス性胃腸炎ですので、ご家庭でも家族内感染や、保育所・幼稚園・学校でも集団感染する可能性が高く、かからないようにしっかりと手洗いやうがいを行なってください。特に手洗いが最も重要な予防手段ですので、一日に何回でも手洗いを心がけて予防してくださいね!!

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ゴールデンウイークはいかがでしたか?

昨日でゴールデンウイークも終了しました。

皆さんは、いかがお過ごしでしたか?

悪天候のため、自宅で過ごされた方、何とか予定の行動が取れた方、様々な過ごし方をされたのではないでしょうか・・・

私も、昨日はやっと雨が上がったようでしたので、美瑛~富良野方面をドライブしてきました。


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写真は、上富良野方面から十勝岳連峰を眺めた感じです。ケータイの写メでしたので、写りはよくありませんが、素敵な残雪模様の雰囲気が出ていましたら嬉しいです・・・

この時期の山並みは、ほかの季節では表せないような山肌と残雪の見事な縞模様ですね。

 

さて、ワクチンにつきまして前回までいろいろなお話をさせていただきましたが、旭川では再来週からポリオワクチンの接種が始まります。

ここで気をつけなければならないのは、ポリオワクチンの接種率が危険な状態まで下がってきていることです。

先週に旭川保健所のワクチン担当の方にお話を伺ってきましたが、MRワクチンや乳児期のヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンは、接種予定者のほぼ9割近くの方が接種していましたが、

ポリオワクチンは7割くらいの接種率で、3割くらいの方がポリオに対しての免疫が無いそうです。

この接種率では万が一ポリオウイルスが日本に入ってくると、大流行しかねない水準だそうです。

そのため、国などではポリオの接種を強力に勧めていますが、やはりポリオ不活化ワクチンの選択が問題になってきます。

 任意でポリオ不活化ワクチンを接種するか? もしくは国の責任の範囲でポリオの生ワクチンを飲むか?保護者の方にとっては難しい選択かと思います。

前回までの講演会の演者の先生も強調されていましたが、「どちらのポリオワクチンも接種しないで時期を待つのが一番危ない選択です!」との言葉が記憶に強く残っています。

 

予防接種(ポリオ不活化ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなど)の講演会にて(6)

前回のブログでは、ワクチンの同時接種についてお話いたしましたが、

今回はその同時接種をする場合でも単独接種の場合でも、ワクチンの間隔が空いてしまった場合はどのようにしたら良いかについてお話したいと思います。

 まず基本的な考え方として、不活化ワクチン(ポリオ不活化ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなど)では、最初に複数回(2ないし3回接種します。ワクチンの種類によって違います)を接種すると初回免疫が完了します。

その後多くのワクチンでは6ヶ月以上の間隔をあけて追加免疫をすると、これで基礎免疫が獲得されます。

 この時の初回免疫は、数回接種する場合の接種間隔がそれぞれ決まっていますが、もし体調不良などの理由で、決められた時期に次のワクチンの接種ができない場合でも、しっかりと予定の回数を接種することが大事です。

必要なトータルの接種回数を完了してあげてください。

そして先ほどお話しましたように、追加免疫は一定の期間(多くは6ヶ月以上)の間隔をあけて接種してください

これは、今まで触れていましたポリオ不活化ワクチンも同じです。


 最後になりますが、このようなワクチンは日本の国が予防接種法で定めていますワクチンと、世界的にWHO(世界保健機構)が推奨しているワクチンがあります。

 ちなみに日本の予防接種法の対象ワクチンは三種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳)、BCG、ポリオワクチン、MR(はしか、風疹)ワクチン、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチンです。

 またWHOが推奨しているワクチンはBCGB型肝炎ワクチン、ポリオワクチン、三種混合ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタワクチン、子宮頸がんワクチンが有ります☆彡


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予防接種(ポリオ不活化ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなど)の講演会にて(5)

「ワクチンは接種可能な年齢に達したら、すぐに接種しましょう!」と、前回のブログでお話いたしましたが、そのためには早くからワクチンの同時接種を進めてゆく必要があることを、講演会では強調されていました。

 まず同時接種の利点ですが、1)病気にかかる前の予防のために、1歳前の赤ちゃんの早い時期から、複数の感染する病気に対しての免疫を付けることができる(病気にかかりにくくすることが出来る)2)ワクチン接種のために、病院を受診する回数を減らすことで、お母さんやお子様の負担を軽くすることが出来る。3)心臓病や神経の病気などの慢性的な病気を持っているお子様は、感染する病気にかかると重くなりやすいのですが、このようなお子様に対しても、体調の良い時期を見計らって複数の免疫を付けることが早めに出来る。 などがあります。


 また、同時接種することに対しての心配や疑問の中では、

1)有効性が劣ることはないのか?ということが心配されますが、一度に複数のワクチンを接種しても、その後の他のワクチンの間隔をしっかり守れば、同時接種のワクチンの有効性は単独の接種と比較しても同じぐらいの有効性が認められています。

2)同時接種を行うことにより、単独の場合に比べて安全性が劣ることはないのか?ということも、一時期の新聞報道などで皆さんもご存知でしょうが、これに関しても同時接種によって副作用の回数や重さが増えることは認められておりませんので、安心して同時接種を行うことができますね。


 全国の小児科医で組織されています「日本小児科学会」でも、ホームページにはワクチンの同時接種のスケジュールが載っていますが、BCG、ロタワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ポリオワクチンなどは、赤ちゃんの早い時期に同時接種を進めてゆくスケジュールになっていますので、是非参考にしてみてください。




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