- 2012年10月 9日 16:56
- アレルギー科
小児のアレルギーでは、アレルギーマーチという考え方があります。
生まれて間もない時期は湿疹やアトピー性皮膚炎で始まり、大きくなるに従い、小児ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎が発症してくるというものです。
最近の研究では、赤ちゃんの時期に口から入る食物ではアレルギーになりづらくし、
その一方皮膚の湿疹やかぶれなどの病変のある部位からは食物やダニなど、アレルギーの原因となりうる色々な物質が皮膚の湿疹の部位を通して体の中に入り、
アレルギーになりやすい状態を引き起こすようです。
日本の研究でも、乳幼児期の湿疹が強いと、その後に食物アレルギーになりやすいという報告が出ています。
そしてこのような湿疹は単なる脂漏性湿疹(生後1か月前後のかさぶたのできやすい湿疹)やおむつかぶれではなく、いわゆる乳児湿疹がその後のアトピー性皮膚炎や風邪をひいたときなどのゼーゼーのリスクになるとのことです。
つまり、赤ちゃんの皮膚が口の周りも含めて正常でつるつるの皮膚であればアレルギーにないにくいのですが、
一方口の周りや体に湿疹があって、がさがさやジクジクの皮膚の状態であれば、そこから母乳や食物やダニなどの抗原(アレルギーを引き起こす物質)が入り込み、将来アレルギーになりやすくなることが強いといえそうです。
お子さんのアレルギーが気になる方は、生後早い時期から赤やんの皮膚は口の周りも含めてつるつるの良い状態にしてあげてくださいね。
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- 皮膚の湿疹やかぶれからアレルギーの原因物質が入る(経「湿疹感作」)のが、アレルギーマーチである:日本小児アレルギー学会より from 旭川市小児科【土田こどもクリニック】