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2012年9月 Archive

第22回日本外来小児科学会にて(その8):同時接種とワクチン・リスク・コミュニケーション


今回で日本外来小児科学会でのお話は最後になります。最後にワクチンの同時接種を進めてゆくときに大事なことについて2、3点触れたいと思います。

 単独接種や同時接種にかかわらず、ワクチンについて安全なワクチンの改良とワクチンに対する市民の皆さんの信頼と安心感がワクチンのリスク・コミュニケーションに必要ですが、アメリカでは全国的なネットワークで、ワクチンで防げる病気やワクチン副作用情報についてインターネットを使用して集積しています。その中の説明文章では、ワクチンで防げる各病気の説明や、ワクチンのリスクや副反応、そして何らかの理由でワクチンを接種できない人や有害事象(重い副反応)が起こった時の情報の問い合わせ先などがいつでも見られるようになっていて十分な情報開示がなされています。

 また現在の日本で必要な市民・保護者の方への啓発と広報活動として、1)風疹が大流行しているため妊婦への情報提供が必要で、小児科医と産婦人科医・助産師との連携が重要。2)出生早期から始めなければならないワクチン接種への対策として、出生届と乳幼児医療費助成申請時に、ワクチンのパンフレットを同時に配布する。3)同じく出生早期の広報活動のために保健師の戸別訪問や、参加・小児科での1か月健診を利用して早期のワクチン接種を推奨する。4)学校でのワクチン教育を進めて学童・生徒にワクチンで防げる病気について知ってもらう。を挙げていました。

 最後にまとめとして

・適切な時期に適切なワクチン接種をするためには、同時接種は必要な医療行為であること。

・同時接種に対する不安は、真の健康被害を基にしたものではないが、真摯に受け止めることが大切。

・ワクチンのリスク(副作用・危険度)とベネフィット(利益)を正しく比較してもらうために、医療従事者の役割は大きい。 と話されていました。

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第22回日本外来小児科学会にて(その7):同時接種とワクチン・リスク・コミュ二ケーション

今までにブログで触れさせていただいたのは、ワクチン・リスク・コミュニケーションという演題の中でのお話でしたが、このワクチン・リスク・コミュニケーションとは何かといいますと、

被接種者(お子さん)保護者医療従事者、行政、マスコミ、専門家などが、ワクチンの利点と副作用などのリスクについて、またワクチンで防げる病気のリスクについて、お互いに正確な情報を認識し合うということですね。


 どんな予防接種も全く安全な予防接種は有りません

きわめてまれに重い副作用が生ずることがありえます

そのため健康被害の正確なモニタリングや副反応のより少ないワクチンの開発が求められます

しかしながらワクチンの副作用に対する過度な報道(例えば昨年の同時接種後の死亡例の報道など)がありますと、その死亡がワクチンの原因ではない死亡(他の病気や乳幼児の突然死など)であっても、ワクチンに対する不適当な恐怖が市民のあいだに広がり、その結果ワクチンの接種を避ける状態が続きますと、

今度はワクチンで防げる病気が蔓延し、その病気による死亡が増えてしまうという状況が起こります。

 

1999年に行われたアメリカでの全国調査でも、ワクチンは病気の予防に極めて重要であると答えた方は87%にのぼりますので、ワクチンの利点や有用な情報を副作用のリスクなどとともに正確に保護者の方に伝え、自信を持ってワクチンの接種を勧めることが大切だとお話されていました。

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第22回日本外来小児科学会にて(その6):同時接種とワクチン・リスク・コミュニケーション

 前回に引き続いて、ワクチンの同時接種についての講演からです。

海外でのワクチンの同時接種は、1980年には既にアメリカでMMR(はしか、風疹、おたふくかぜ)や、三種混合(百日咳、ジフテリア、破傷風)不活化ポリオワクチン同時接種が行われていました。1986年にはアメリカではしかの大流行があり、そのうちの4割弱くらいの子さんではしかのワクチンが未接種のため、同時接種をしていなかった医師の責任が問われる事態となりました。海外の先進国では1980年代から1990年代にかけてワクチンの同時接種に関しての研究がいくつも発表されましたが、どれも同時接種で重い副作用の発生は増加しないという報告ばかりでした。

日本では昨年の3月に同時接種後の死亡例の報道が有り、多くの皆さんに不安を与える結果となりましたが、一時的な中止後にすぐに同時種が再開となり、その後のワクチン接種の数も報道前よりも数多く接種されていますが、接種後の死亡例が増加したという報告も報道も現在のところ有りません。もともとワクチンの同時接種以前の古くから乳幼児突然死症候群という原因不明で小さな赤ちゃんが亡くなる病気が知られていますが、ワクチン同時接種後に亡くなられたお子さんの多くの方はこの病気であった可能性が高そうです

 鹿児島県で行われた3年間にわたるワクチンの安全性の調査でも、ワクチンの同時接種と単独接種を比較してみても副作用の頻度には差がなかったという結果が出ています。

 以上のことから、世界的に見ても日本のこれまでの報告を見ましても、ワクチンの同時接種によって引き起こされる重大な問題はないことが分かりましたので、お子さんにとって必要なワクチンを必要な時期に接種するためには、同時接種を前提としてお子さんのワクチンスケジュールを組み立ててもらって下さい。

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第22回日本外来小児科学会にて(その5):同時接種とワクチン・リスク・コミュニケーション


学会の2日目のセミナーでは、鹿児島大学の西順一郎先生による、「ワクチンの同時接種とワクチン・リスク・コミュニケーション」の講演でした。


 最初に日本小児科学会推奨の予防接種スケジュールを表で示され、早いものでは生後6週目からのロタワクチンから開始するスケジュールと、

生後8週目からの同時接種(ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタワクチン)を前提とした最速のワクチンスケジュールも示して頂きました。

ただしどちらもBCGの集団接種ではスケジュールの調整が困難なため、BCGの個別接種への移行が必要であると話されていました。


旭川市でも来年度からBCGの集団接種から個別接種へと移行する予定ですので、今後は旭川の乳幼児のお子様も同時接種を前提としたワクチンの接種スケジュールが立てやすくなります。


 またワクチンの単独接種では、必要なワクチンを全部接種するためには生後6か月までに合わせて全部で15~16回の接種のための受診が必要ですので、かなり大変なことになります。

インフルエンザ菌や肺炎球菌による髄膜炎という重い病気は生後6か月にはもう発病しているお子様も出てくるために、かかる前に接種するワクチンの原則からすると、やはりどうしても同時接種が必要だということになりますね。

 

日本小児科学会でも、「予防接種の同時接種に対する考え方」において、

  1. ワクチンは適切な時期に適切な回数を接種することが重要で、
  2. 有効性については各々のワクチンでのお互いに影響する作用は無く、
  3. ワクチンの同時接種により重い後遺症や副反応の頻度は多くならず、
  4. ワクチンの同時接種は日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為である。 

と示されています。

 

次回は、このセミナーでのお話の中で、「海外における同時接種」と「日本の同時接種に対する不安」というお話をいたします。

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「ワクチンフォーラム2012」にて:ワクチンの同時接種の安全性、不活化ポリオワクチン、4価ワクチン、インフルエンザワクチンについて(その2)


9月5日のワクチンフォーラムでの崎山先生のお話の続きです。

今回は不活化ワクチン、4価ワクチン、そしてインフルエンザワクチンについてです。

 

今月の1日から全国で不活化ポリオワクチンの接種が開始されています。

今までのポリオ生ワクチンと違い、ワクチンによる麻痺がない安全性の高い注射するワクチンです。


もう既に接種された方も多いかと思いますが、今回の不活化ポリオワクチンはフランスから輸入されたワクチンですが、国内での治験後に使用されることになり、各地で多くのお子さんに接種されています。

未発表のデーターですが、今年の春の主要都市におけるポリオ生ワクチンの接種率は60%台に下がっていましたので、かなりたくさんのお子様がポリオに対しての免疫がない状態です。

ポリオの接種が済んでいないお子さんは早めに不活化ポリオワクチンを接種してくださいね。

 

そして、11月からは新しいワクチンが開始されます。

今までの三種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風)と不活化ポリオワクチンが合わさったワクチンで、計4種類のワクチンが入っている混合ワクチンのため4価ワクチンと呼ばれます。

このワクチンは現在のところ2社から発売される予定(クアトロバック、テトラバックという商品名です)で、どちらのワクチンも使用できます。

 


最後のインフルエンザワクチンについてのお話では、インフルエンザワクチンの有効性についてでした。

よくインフルエンザワクチンは効かないと言われているようですが、

崎山先生のお話ではその評価の仕方が誤っているものが多く正確に評価した研究を集めると実際にはワクチンの効果は60~70%程度はあるとのことです。


但し2歳以下でのインフルエンザワクチンの効果は少ないとのことで、この年齢層でのインフルエンザワクチンの接種に関しては、色々と相談の上でということになるかもしれません。


しかしどのワクチンでもそうですが、インフルエンザワクチンにも集団免疫効果というものが有り、

その集団(学校なり幼稚園や保育所、その地域など)でのワクチンの接種率がなり高いと、ワクチンを接種していない人にも病気にかかる率少なくなるという効果を及ぼしますので、はやりワクチン接種は大事だということになりますね。

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「ワクチンフォーラム2012」にて:ワクチンの同時接種の安全性、不活化ポリオワクチン、4種混合、インフルエンザワクチンについて(その1)

 

 一昨日の水曜日(9月5日)に、旭川にて旭川小児科医会主催の「ワクチンフォーラム2012」が開催されました。ワクチンの話題では有名な、東京都府中市の崎山小児科医院の崎山 弘先生に御講演を頂きました。題名は「明日から役に立つ予防接種の新しい知識―不活化ポリオ、4種混合、インフルエンザ、同時接種についてー」でした。

 最初にワクチンの同時接種の安全性についてのお話でした。去年の冬にワクチンの同時接種後に亡くなった赤ちゃんの報道があったのはご存知の方も多いかと思いますが、その後間もなく同時接種が再開され、報道以前以上にワクチンの同時接種が全国で行われていますが、それによって亡くなったという報道は一切有りません。崎山先生のお話では、10年以上も前にヨーロッパでワクチンの同時接種と乳幼児の突然死の研究がなされ、それによりますと同時接種をしたからといって赤ちゃんの死亡率が増えることはなく、むしろ同時接種をしていた方のグループの方が、同時接種をしていないグループよりも突然死を起こしにくい(フランス、ドイツなど)という結果が出ているようです。確かにワクチンを複数同時に接種すると、発熱などの頻度は高くなるかもしれませんが、死亡例や後遺症を残す方などの重い副作用は有りません。なので、皆さん安心して同時接種をしてください!というお話でした。加えて同時接種をしないで単独接種だけではワクチンの完了も遅くなり、その結果ワクチンで防げる病気に残念ながらかかる可能性も高くなります。

 1歳のお誕生前までに接種できるワクチンは、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ポリオワクチン、ロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチンから始まって、全部接種すると15~20回くらいになります。これを単独で接種しようと思うと大変な受診回数になりますので、接種できるときは同時接種を進めてゆくと良いでしょうね。

 次回は、不活化ポリオワクチン、4価ワクチン、インフルエンザワクチンについてのお話です。

第22回日本外来小児科学会にて(その4):ワクチンで防げる病気(VPD)の最近の話題について(2)

  • Posted by: tsuchida
  • 2012年9月 5日 17:07

前回に引き続いてワクチンで防げる病気(VPD :水ぼうそう、おたふくかぜ、ロタウイルス胃腸炎、細菌性髄膜炎、肺炎など)についてのお話です。

1)    水ぼうそう(水痘)は、一つの集団生活(例えば保育所や幼稚園など)で発症すると、それまで水ぼうそうにかかっていない人やワクチンを受けていない人(いわゆる免疫がない人)では80~100%の人がかかってしまうくらい伝染性の強い病気です。そこで水ぼうそうのワクチンを接種していたらどうなっていたかといいますと、水ぼうそうのワクチンを1回でも接種していると半分以上の方に予防効果があったそうです。また残念ながら発症しても多くの方が軽く済んでいます。これによりますと、伝染性の強い水ぼうそうはワクチンで防ぐのが良く、しかも1回接種では効果が限定的なので、出来れば2回接種をすることがおすすめのようです。しかもワクチンの接種時期は集団生活に入ればいつでもうつりますので、1歳を過ぎた早い時期に接種することが望ましいでしょう。

2)    おたふくかぜ(流行性耳下腺炎 :ムンプス)は、年齢が上になるほどおたふくかぜの症状が強くなります。また髄膜炎や睾丸炎、卵巣炎などの合併症の発生率も高くなります。そのためおたふくかぜワクチンの接種も、みずぼうそうワクチンの接種と同じように、集団生活に入るまでと待たないで、1歳を過ぎたら早い時期に接種しましょう。

3)    ロタウイルス胃腸炎は、3歳までにほとんどのお子さんが一回はかかり、5歳までのお子さんでは40人に1人は入院する病気です。また、脳炎という重い脳の病気の原因では3番目に多い病気でもあります。

昨年より日本でもロタウイルスに対するワクチンが発売されるようになりましたが、数年前にこのワクチンを導入してお子さん全員に接種している国では、ロタウイルス胃腸炎で入院するお子さんがほとんどいなくなり、ロタウイルス胃腸炎の流行自体もなくなりつつあるようです。

   4)ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン(プレベナー)は、日本で発売されてから数年が経ちましたが、最初の頃は自費のため接種率も低く、その結果髄膜炎や肺炎の発生率も目立っては現象が見られませんでしたが、昨年は公費負担による無料化のため接種率が飛躍的に良くなりました。そして昨年から今年にかけては全国で髄膜炎が半分以下に減少し、乳幼児の死亡例も減少しました。また、これらのワクチンの接種率を高く保つことにより、ワクチンを受けていない他のお子さんにも集団伝染予防効果によりこれらの菌の保有率が下がっているようです。今後はお子さんの菌の保有率が下がると、周囲の人への伝染も少なくなり、成人や老人の方のこれらの病気の発症率も下がってくることが期待できます。

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第22回日本外来小児科学会にて(その3);ワクチンで防げる病気(VPD)の最近の話題について(1)

学会の一日目のランチョンセミナーはワクチンのスケジュールについてのお話でしたが、その中で、ワクチンで防げる病気(VPD :麻しん、風疹、結核、百日咳など)についての新しい話題のお話でした。


1) 麻しん(はしか)は、最近になりかかる人が少し多くなって来ましたが、はしかウイルスの株の分析によりますと、昔のはしかは国内に流行していた株が多く、その株を持った人が外国に出掛け、外国で発症しその国の人に移すために、「日本ははしかの輸出国だ!」と諸外国から非難されていましたが、最近の日本国内ではしかで発症する人のはしかの株は、ほとんどが外国での発症の株のため、「日本ははしかの輸入国になってしまった!」ということです。世界中での移動が容易な今日、はしかのワクチンをしっかり受けましょう。


2) 風疹は、妊婦さんがかかってしまうとお腹の赤ちゃんに奇形が起こる大変な病気のため、成人女性に気を配られがちですが、実は風疹にかかってしまう人で一番多いのは、成人男性なのです! 男性のほうが女性の2~3倍もかかっており、しかも一番かかっている年代は20~30台の男性です。そうです、妊婦さんのパートナーが一番風疹にかかっているのです。そのため日本産婦人科学会のHPには、「風疹が流行しています!妊婦の夫世代が最多!!妊婦さん本人は風疹ワクチンを受けられません。妊婦さんが風疹にかかるとお腹の赤ちゃんに高率に奇形が発生します。妊婦さんの同居家族は風疹ワクチンを受けて下さい!」と注意が喚起されています。


3)BCGは乳幼児の重症の結核(髄膜炎や重い肺炎など)の予防に必要です。1年間に新しく発症する小児の結核患者さんは1965年では44180人だったのが、1975年では4905人、2009年では73人とかなり減っています。でも日本は先進国の中ではまだ成人や老人の結核患者さんが多い「結核の中程度の蔓延国」です。そのため先進国のように、今現在BCGの接種を止めてしまうと乳幼児の結核の患者さんがかなり増えますので、BCGもしっかり接種しましょう。ただし、近い将来にはBCGの接種時期が少し変わるかもしれません。


4)百日咳もワクチン(三種混合ワクチン;DPT)を接種する時期から、子どもさんの病気と考えられがちですが、最近は成人の方の百日咳が増加しています。なんと全体の患者さんの6割くらいの方が15歳以上の生徒、成人、老人なのです。これは小児の時期ではワクチンの効果が残っていますが、成人になるにつれてワクチンの効果が減ってかかりやすくなる上に、成人の方の百日咳は症状が強くないので、長引くカゼくらいに捉えられ、未治療ですと周囲の乳幼児や小児に感染させ、そのお子さんたちが百日咳になってしまっています。そのため、今後は小学校6年生に接種している2種混合ワクチン(破傷風とジフテリア)に更に百日咳を加え、新しい三種混合ワクチンを小学生や中学生に接種しなければならないと考えられています。先進国の中では、成人の方の百日咳の予防のために成人にも三種混合ワクチンを接種している国もあります。


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本日から、不活化ポリオワクチンの接種が開始されました!

本日(9月1日)の土曜日から、厚生労働省の予防接種実施規則の一部が改正され、全国的に不活化ポリオワクチンの接種が開始されました。

これで、対象年齢(ポリオワクチンの接種がまだ完了していない、生後3か月から7歳6か月までの全国のお子さん全員です)の方に、ポリオ関連麻痺という副作用のない不活化ポリオワクチンが接種出来るようになりました。

このワクチンは、当院のスタッフブログでも詳しく説明しておりますが、今までの生ワクチン(口から飲むワクチン)と違って、三種混合ワクチンやヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンと同じように腕もしくは太ももに注射での接種によるワクチンです。

もちろん、上にあげた種々のワクチンとの同時接種が可能ですので、今までに比べてもワクチンの接種スケジュールの立て方が楽になります。

ただし回数に関しましては、今までの生ワクチンが合計2回の接種で済んでいたのに対し、今回の不活化ポリオワクチンは合計4回の接種で完了となり、今までのワクチンの接種した回数によっても違います。

例えば、

1)今まで1回もポリオワクチンを接種していないお子さんは、20日以上の間   隔をあけて3回の接種とその後6か月以上の間隔をあけて1回接種の、計4   回の接種が必要です。

2)今までに生ポリオワクチン(飲む経口のワクチン)を1回飲まれているお子   様は、20日以上の間隔をあけて2回の接種をし、その後は1)と同じ接種   を追加します。

3) すでに生ポリオワクチンを2回接種したお子さんは、不活化ポリオワクチンを接種する必要はありません。

以上の知識を持ちながら、お子さんの不活化ポリオワクチンを進められてください。

なお、今年の11月くらいからは新しいワクチンが開始されます。不活化ポリオワクチンと三種混合が合わさった新しいワクチンです。

三種混合ワクチンもポリオワクチンもどちらも接種されていないお子様は、この新しいワクチンの接種が望ましいですね。

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