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第22回日本外来小児科学会にて(その5):同時接種とワクチン・リスク・コミュニケーション


学会の2日目のセミナーでは、鹿児島大学の西順一郎先生による、「ワクチンの同時接種とワクチン・リスク・コミュニケーション」の講演でした。


 最初に日本小児科学会推奨の予防接種スケジュールを表で示され、早いものでは生後6週目からのロタワクチンから開始するスケジュールと、

生後8週目からの同時接種(ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタワクチン)を前提とした最速のワクチンスケジュールも示して頂きました。

ただしどちらもBCGの集団接種ではスケジュールの調整が困難なため、BCGの個別接種への移行が必要であると話されていました。


旭川市でも来年度からBCGの集団接種から個別接種へと移行する予定ですので、今後は旭川の乳幼児のお子様も同時接種を前提としたワクチンの接種スケジュールが立てやすくなります。


 またワクチンの単独接種では、必要なワクチンを全部接種するためには生後6か月までに合わせて全部で15~16回の接種のための受診が必要ですので、かなり大変なことになります。

インフルエンザ菌や肺炎球菌による髄膜炎という重い病気は生後6か月にはもう発病しているお子様も出てくるために、かかる前に接種するワクチンの原則からすると、やはりどうしても同時接種が必要だということになりますね。

 

日本小児科学会でも、「予防接種の同時接種に対する考え方」において、

  1. ワクチンは適切な時期に適切な回数を接種することが重要で、
  2. 有効性については各々のワクチンでのお互いに影響する作用は無く、
  3. ワクチンの同時接種により重い後遺症や副反応の頻度は多くならず、
  4. ワクチンの同時接種は日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為である。 

と示されています。

 

次回は、このセミナーでのお話の中で、「海外における同時接種」と「日本の同時接種に対する不安」というお話をいたします。

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