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「ワクチンに関する最近の話題」の講演会:その2

前回のブログでお話しました、札幌市立大学看護学部特任教授の冨樫先生の講演会では、乳児期早期のワクチンロタウイルスワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン)の必要性以外にも、いくつかのトピックを話されていました。


まず、最近増加している成人の百日咳についてです。百日咳のワクチンは最終が

三種混合ワクチンの追加の時期ですので、大体は2~3歳で終了してしまいます。


そのため、その後の予防が出来ていないため成人になって百日咳に罹りやすくなります(日本では百日咳の患者さんの3分の1以上は15歳以上です)。

この予防として、小学校6年生の時に行う2種混合ワクチンジフテリアと破傷風)に百日咳のワクチンを追加して混合することが検討されています。

このワクチンはアメリカなどでは既に行われており、これからは日本でも、小学校6年生の時に行う2種混合に百日咳のワクチンが追加され、新しい3種混合ワクチンになってゆくことでしょう。


2番目には、今まで任意接種(接種するかしないかは保護者の方の自由選択であり、自費のため無料にならないワクチン)でおこなわれてきたワクチンでも定期化(法律でワクチンの接種を決め、無料化になりやすいワクチン)した方が良いワクチンについて話されていました。

その定期化した方が良ワクチンには、水ぼうそう、おたふくかぜ、B型肝炎、ロタ胃腸炎などを挙げていました。

我々小児科医にとっても、これらのワクチンが早く定期化され、無料になって全員のお子様に接種できるようになる社会作りが必要ですね。


B型肝炎ワクチンについては、あまり聞きなれない方もいらっしゃいますがB型肝炎は進行すると、一部の方が肝硬変や肝ガンになりますので、ある意味ガンを予防できる最初のワクチンといえます。

このウイルスはお母さんから移る母子感染が大きな問題になり、産婦人科医や小児科医の努力により、徐々に接種する方も多くなってきていますが、このワクチンも早く定期化されるようになると良いですね。


冨樫先生はまとめとして、「お子さんがお母さんのお腹の中にいる間に、お母さんからもらう免疫(移行抗体と呼ばれます)は、生まれてからの赤ちゃんでは、細菌に対する抗体は生後2~3か月で、ウイルスに対する抗体は生後5~12か月で無くなってしまうので、この抗体が無くなったあとはワクチンでしっかりと免疫を付けることが大事」とおっしゃっていました。

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