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食物アレルギーのシンポジウムに参加して

 

 先月の中旬に大阪で開催されました、日本小児アレルギー学会に参加してきました。一日目の午前は、食物アレルギーについてのシンポジウムでした。

 最初の講演は食物アレルゲンについてのお話でした。アレルギー物質を含む食物についての表示のお話では、厚生労働省では卵、牛乳、小麦、そば、落花生、えび、かにの7種目についてはすべての流通段階で表示を義務付けており、さらに大豆、牛肉、豚肉、もも、などの18品目についても表示を推奨しており、食物アレルギーを疑われる方はこの表示に気を付けて見て頂くことが必要です。また食べるものだけではなく、最近では化粧品の中に含まれている微量の小麦による石鹸アレルギー(茶のしずく事件)の報告もされていました。

 2番目の講演は食物アレルギーの診断についてでした。「食物アレルギーの診断の手引き2011」という冊子の内容に準じて行っているようです。

まず、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎に関しては、その原因が何であるかを詳しく聞き出すことから始まり、すぐ食物を除去することはせず、まず丁寧なスキンケアと適切なレベルのステロイドの塗薬から始めるとのことでした。そして1~2週間くらいでも治らないケースでは、血液検査などをして原因の食物を調べてゆくとのことです。

次に、食物を食べてすぐに(ほぼ2時間以内)蕁麻疹や、かゆみ、不機嫌、嘔吐などがあるような場合には、まず原因と考えられる食物の検査(血液検査など)をして、かなり確実な場合はその食物の摂取をやめることもありますが、やや疑わしいケースなどでは負荷試験(医師の観察のもとで、少量から食べ始めて症状を確認する検査)診断を確定することもあります。

 3番目の講演は離乳食の進め方と除去の解除の進め方についてでした。離乳食の開始時期は世界的に見て、4か月以降、6か月以内で始めているようですが、従来ではアレルギーの原因となるような食物については開始を遅らせていましたが、最近ではそのような証拠がないため、通常通りに開始することになってきているようです。解除の方法については、症状が人によって違いますので、基本的にはより少量で重い症状が出る人は、より慎重に原因となる食物を開始・増量すべきと言っています。

 

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