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小児アレルギーのトータルマネージメント

  先月の小児アレルギー学会のランチョンセミナーでは、「小児アレルギーのトータルマネージメント」と題して、子どもさんのアレルギーという病気を、「患者さんの視点に立った医療」を目指して、いろいろなアレルギーのある一人の患者さんを、トータルにアレルギーの病気をコントロールしてゆこうというお話です。


 アレルギーという病気は身体のどこにでも発症します。それが皮膚であれば湿疹が出て蕁麻疹アトピー性皮膚炎になったり、であれば鼻水やくしゃみ・鼻づまりでアレルギー性鼻炎アレルギー性の蓄膿症になり、に発症すれば目のかゆみや涙目でアレルギー性結膜炎となります。そして気管支であれば咳やぜーぜー、呼吸困難で気管支ぜんそくなどになります。このようにアレルギーの病気は身体のいろいろな部位で発症しますので、一つの専門科だけではうまく治療がゆかず、小児科(大人であれば内科)、皮膚科、耳鼻科、眼科などのいろいろな科の専門医が密接に連携して、一人の患者さんを治してゆくことも多くあります。これが「小児アレルギーのトータルマネージメント」というわけです。


 具体的に一例を挙げれば、たとえばアトピー性皮膚炎は皮膚の病気ですが、眼科との連携が必要な時があります。アトピー性皮膚炎の症状のひどい患者さんでは、特に顔や目の周りの症状がひどければ、無意識に顔をひっかいたり、かゆみが強くて目の周りなどをたたく仕草をすることがよくあります。これが何回も何回も強くたたくことがあると、ひどい時には白内障や網膜剥離という重大な目の病気を引き起こすことがあります。昔はこの白内障なども、ステロイドの薬を使いすぎるからだという間違った認識をされる方もいらっしゃいましたが、むしろあまり薬を使わないで皮膚の症状がひどいときにこのような目の症状が起きやすくなります。そのため顔の、特に目の周りのひどいアトピー性皮膚炎では、眼科の先生との連携が必要になってきます。また子どもさんでアレルギー性鼻炎と気管支ぜんそくの両方の病気を持つ方も多いので、小児科医と耳鼻科医の連携が必要になります。咳をした時なども、その咳の原因が鼻水からなのか、胸の気管支の音が悪くて気管支からの咳なのかを見極めることも必要になります。

 お子さんもお母さん方も、アレルギーの病気が疑われるときには、このような複数の科で診てもらう必要が時にはあることも良く覚えておかれるとよいでしょうね。

 

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