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2012年11月 Archive

アレルギー、ワクチンのシンポジウムにて(4:今後の小児喘息の、より良い長期の治療とその評価について)


 先月のシンポジウムでの4番目のお話は、イギリスのアバダーン大学呼吸器部門の教授の David Price先生による、喘息の長期にわたるお薬の新しいお話と将来への展望です。


 イギリスで行われた最近の喘息の調査によりますと、喘息の患者さんの約3割以上の方で喘息の症状が時々強く出ており呼吸困難が起こって救急外来を受診したり入院を要することがあるなどの結果が出ています。

これが意味することは、多くの方で喘息と診断され治療をされながらも、残念ながら思ったほどの効果が上げられずに、コントロールの状態が悪いとのことです。
 

イギリスでは医療事情が日本と違い、簡単には医療危難を受診することは出来ず、そのため急な発作などでの対処はもとより、日本では当たり前に行われている継続的な(定期的な)診療と治療を受ける機会が少ない方も稀ではありません。

そのような環境が喘息の患者さんやお子さんのコントロール状態を悪くさせている要因ですが、実はしっかりと治療を受けていると思われる患者さんでも、定期的な治療を受けられていない方と同じようにコントロールが悪いことも多く

その様なときにはただ単に薬を増やすことではなく、患者さんがしっかりと環境整備喫煙やホコリの回避)

服薬指導(飲み薬は飲み忘れ以外はあまり問題はないのですが、吸入薬は上手に薬を吸えているかどうかで治療効果に差が出ているようです)が出来ているかを今一度見直してみる必要がある事を強調されていました。


一般的な色々な研究調査からの報告では、しっかりと薬を服用しかつ、しっかりと環境整備ができている方は全体の1割以下くらいで、ほとんどの患者さんでは期待されるほどのしっかりした治療が出来ないでいるとのことです。


 お子さんの喘息の適切な治療を決める際にはこれらのことを考えに入れながら進めてゆく必要があります。

厳しい条件(しっかりと薬を飲み、ダニやたばこなどの環境整備もしっかりとやり、定期的に病院を受診していくという)での薬の効果の比較は、多くの患者さん(イギリスの例でいえば9割近くの患者さん)にとってはあまり有効な役に立つ方法とは言えません。

そこでなかなか定期的に薬を飲んでいなかったりクリニックを受診できていないような多くの患者さんを対象にした研究報告も、

実際に患者さんを目の前にして治療を行っているような我々第一線の小児科医(勤務医も開業医も含めて)にとっては重要な情報になってきますし、最近はそのような報告も多くなってきています。


 そのうちの一つの研究結果では、子どもさんの喘息を良好な状態に維持してゆく長期的な治療のお薬として、吸入のお薬と一日一回か二回の飲み薬のどちらがよいかという報告が目立っていました。

これからの子どもさんの喘息が長期的にどのように良くなってゆくかを知る上でも色々な役に立つ情報が期待されますね。


 

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アレルギー、ワクチンのシンポジウムにて(3:子どものワクチンの up to date )

 先月の東京でのシンポジウムの3番目のお話は、国立病院機構福岡病院部長の岡田先生による、ワクチンの最近の話題についてです。


 この中で先生は、ワクチンの副反応の中でも最近の子宮頸がんワクチンの接種後に問題になりました失神について、多くのデーターを基に説明されていました。

子宮頸がんワクチン接種後に、その痛みなどで接種後短時間に気持ちが悪くなって倒れこんだり、意識を失うお子さんが新聞などで報道されていましたが、

実はこの症状は子宮頸がんワクチンが開始される前にもいくつか報告されている副反応だったとのことです。


子宮頸がんワクチン他のワクチンと接種の仕方がやや違い

最初から筋肉注射で接種するようになっていましたので、他の皮下注射のワクチンよりも接種時の注射の痛みが強くなることが多いものです。


そのためその痛みの反射により血圧が下がり倒れこんだりすることがあります


しかしながらこの副反応は海外での調査でも同様に起こっており、その頻度もほぼ日本と同じであることから、特別わが国だけの問題ではないようです。

接種前にはあまり緊張させずに(友達の話などで非常に痛いワクチンだとの先入観で接種しようとするケースも多いようですが・・・)、

接種時にも緊張を解きほぐすような会話をしたり、

接種後すぐには立ち上がったり急いで動くなどの動作を控えるようにしてあげてください。

 


また、最近ではワクチンの種類も多くなり、複数回接種するワクチンがほとんどのため、最近の日本のお子さんのワクチンの接種回数は飛躍的に多くなってきました

そのため問題になるワクチンの副反応としてあげられる中に、アナフィラキシーと言うものがあります。

このアナフィラキシーというのは複数の臓器の症状が起こることを指しています(例えば接種直後の蕁麻疹と呼吸困難とか、失神と蕁麻疹とかなどです)。

このアナフィラキシーの報告は、新型インフルエンザワクチンの接種などで多く報告されていますが、他のどのワクチンでも起こりえます

そのため、ワクチン接種後は20分前後は何か変わったことが起きていないかどうかを観察し、症状が起こった際にはすぐに診察と処置ができるように、接種場所の近くで待機されることが必要ですね。


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アレルギー、ワクチンのシンポジウムにて(2:子どものアレルギー性鼻炎のお話)


 

 先月の東京でのシンポジウムでの2番目のお話は、千葉大学耳鼻咽喉科の教授の岡本先生による、小児のアレルギー性鼻炎についてのお話です。

 喘息やアレルギー性鼻炎などの小児のアレルギーの病気は年々患者数が増加しており、さらにそのアレルギーの病気が小さなお子さんにまでも発症するという低年齢化が進んできています。

 アレルギー性鼻炎なども1~2歳ころからの発症も珍しくはなくなってきたようです。

 小児のアレルギー性鼻炎では原因となる抗原(アレルギーの原因物質)が成人よりも多く、スギ花粉のみならず北海道ではシラカバ花粉も多く、その他ダニやハウスダスト(室内のチリ)など複数の抗原が原因で花粉症が引き起こされています。そのため成人に比べても自然に治る率が少なく成人にまで持ち越すお子さんも多いようです。

 治療としてはいくつかの方法が挙げられますが、特に成人にもお子さんにも良く効くのみ薬として昔から「抗ヒスタミン剤」という飲み薬が使われてきていましたが、難点として眠気が強く、学童などでは日中の学校生活や学業にも影響することもあります。

 そのため最近では眠気の少ない抗ヒスタミン剤が多く開発されてきています。このお薬は2~3歳からでも使えますので、気になる方は一度主治医の先生にご相談されてみるのが良いでしょうね。

 またこれらの飲み薬でもあまり改善しないお子さんでは、「点鼻薬」(直接鼻に噴霧するお薬)も3歳以上のお子さんからでも安全に使用できるとのことですので、治りにくいお子さんはこの点鼻薬も使うこともあります。

 そのほか喘息のお子さんに服用して良く効く「抗ロイコトリエン薬(商品名:オノン、キプレス、シングレアなど)」も鼻づまりの強いアレルギー性鼻炎には最も良く効くお薬ですので、どのようなお薬が効果が有るかを考えながら治療してゆくことになりますね。

アレルギー、ワクチンのシンポジウムにて(1:アトピー性皮膚炎の新しいお話)


 先月末に東京での「小児のアレルギーとワクチンについてのシンポジウム」に参加してきました。今回から数回に分けて、子どもさんのアレルギーとワクチンについての新しい話題を提供させていたします。

最初は千葉大学小児科教授の河野先生によるアトピー性皮膚炎についての新しいお話です。

まずアトピー性皮膚炎の病気がどのように変化してゆくかについてですが、河野先生方が行った千葉県での子どもさんでの調査では、3歳までに発症するアトピー性皮膚炎は、1歳6か月までに発症する「早期発症群」と、1歳6か月以降に発症する「後期発症群」の2つに大きく分けられるそうです。その経過では個人の遺伝や体質などの影響と、ほこりやダニなどの居住環境による影響が複雑に絡み合って症状に様々な程度の変化が出てくるようです。

 その中でも大きく取り上げられていましたのは「早期発症群」では"食物アレルギー"の合併が特徴的なことです。この食物アレルギーが合併することにより、アトピー性皮膚炎が治りづらくなったり、その後に小児喘息が発症してくる可能性が高くなるようです。

 食物アレルギーはこの時の調査では、1歳児の約30%のお子さんが何らかの食物に感作(アレルギー検査で反応がある・・・ただしこのことですぐにアレルギーが起こるというわけではありません!)されているようです。このアレルギー検査ではアトピー性皮膚炎のあるお子さんの方が、普通のお子さんに比べて食物に感作される頻度が高いこと、また6か月以前から湿疹があるお子さんではその後のアトピー性皮膚炎や食物への感作が多いことも知られてきました。

 最近では食物アレルゲンは皮膚から(特に口の周りの皮膚から)入る食べ物や母乳の成分がアレルギーを引き起こす(食物アレルゲンの経皮感作といわれています)との報告が多くみられますので、赤ちゃんの早い時期から口の周りの湿疹やほっぺたや顔の湿疹が続かないように、しっかりとスキンケアをして皮膚のバリア機能を保たせるようにしてあげてください。


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子どもたちを守る予防接種(ワクチン)スケジュールについて(5:麻疹風疹ワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン)


 麻疹風疹ワクチンは、生後1歳の時期生後6歳の小学校入学前の二回の時期に接種するようになっています。最近では接種率も向上し、全国的にもほぼ90~95%の小児が接種しています。しかしながら暫定措置として行われてきた中学生や高校生の接種率は80%程度の地域も多く、大学生や社会人になってから麻疹(はしか)風疹にかかる人が出てくる危険性が有ります。

事実昨年から全国的に風疹が流行してきていますが、この流行でかかっている人の多くは子どもではなく成人の男性です。男性も風疹のワクチンを接種するようになってきたのは約30年前からで、それ以前は中学生の女子に接種が薦められてきました。その結果風疹の免疫がない成人男性が取り残された状況のようです。麻疹でも風疹でも、脳炎や肺炎などの重い合併症を引き起こすこともあり、接種が不確かな方は確認して是非接種するようにしてください。

 水ぼうそうワクチンムンプスワクチンも、これらの病気によって脳炎や肺炎、難聴など主合併症を起こすこともあり、予防するワクチンとして重要なワクチンです。しかしながらこの両者とも定期接種ではなくて任意接種なので、全国的にも接種率はまだ40~50%と低い状態です。そのため保育所や幼稚園などでひとたび流行が起こると、数か月にも渡ってあとからあとから感染していって、園全体に感染が広がるケースが多くあります。

今まではこの二つのワクチンは通常1回の接種でしたが、先進国では2回接種するスケジュールが組まれており日本でも2回接種する方も多くなってきました。2回目の接種は水ぼうそうワクチンは1回目の接種後に早ければ3か月後からは2回目の接種が推奨されていますし、ムンプスワクチンは1回目を1歳の時に接種して、2回目を3~6歳の時に接種するスケジュールが推奨されています。

 いずれのワクチンも、詳しくは日本小児科学会のHPか、VPDを知って子どもを守ろうの会のHPに載っていますので、是非一度参考にご覧になってみてください。


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子どもたちを守る予防接種(ワクチン)スケジュールについて(4:不活化ポリオワクチン、四種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ)

 

 今回は、今年の9月から接種が開始されました不活化ポリオワクチンと今月から接種が開始されました四種混合ワクチン(従来の三種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風)に不活化ポリオワクチンを加えたワクチンです)についてのお話です。

 ポリオ不活化ワクチンは、9月から全国的に以前のポリオ生ワクチンという飲むワクチンから、ほかのワクチンと同じように注射のワクチンに代わりました。

 このワクチンはフランスで製造され、1982年以降世界中の86か国で使用されている安全性の高いワクチンです。

 もうすでに接種されたお子さんも多いかと思いますが、このワクチンは三種混合ワクチンと同じく生後3か月から接種が開始できます3~8週間隔で3回接種します。3回接種後は6か月以上の間隔をあけておよそ1年後に追加の接種を1回して完了です。

 この4回とも定期接種として国が認めたワクチンですので、公費負担で接種が無料となりました。

 すでに以前からのポリオ生ワクチンを飲まれているお子さんはその飲んだ回数により不活化ポリオワクチンの接種回数が違いますので、詳しくは主治医の先生にお伺いしてみてください。

 日本での治験でも高い有効性が認められましたし、副反応も他のワクチンに比較して特に多いものではありませんので、通常通りに接種して構いません。ただしほかのワクチン同様副反応が絶対無い100%安全なワクチンは有りませんので、接種の際には主治医の先生や病院のスタッフとよく相談されることは必要ですね。

 今月から接種が開始された四種混合ワクチンは、すべて国内での製造です。現在のところ2社から販売されていますが、全国的に品薄状態で、スタッフブログにも書かれてありますように希望されるお子さん全員に接種する本数は全国どこの地域でも確保されておりませんので、残念ながら今しばらくは四種混合ワクチンを接種するか、今までの三種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを追加して同時接種するかを主治医の先生と相談されてワクチンスケジュールを立ててみてください。

 接種間隔は今までの三種混合ワクチンと同じで、3回の初回接種と1回の追加接種で接種が完了します。

 時にワクチンの絶対数が不足する事態が数か月続く可能性もありますので、やむを得ない場合は四種混合ワクチンで接種を開始しても途中から三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンの組み合わせで2回目、もしくは3回目の接種をする場合もあります。

 どちらも同じように組み合わせて接種スケジュールを立てることができますので(ワクチン同士の互換性が有るといいますが)、この点もご了解されて接種を進められてください。

 


子どもたちを守る予防接種(ワクチン)スケジュールについて(3:三種混合(百日咳、ジフテリア、破傷風)、BCG)

今回は、三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア、百日咳、破傷風)、BCG、についてのお話です。


 三種混合ワクチンの中で最も重要なのは百日咳の予防です。ジフテリアは日本ではほとんど見かけられなくなりましたし、破傷風はまれな病気になってきましたが、百日咳は今でも多い病気です。

特に最近は成人の百日咳の方が多くなり、小流行もときどき見かけられ、お母さん・お父さんからお子さんへの百日咳の伝染もしばしばあります。「成人の方は風が少し長引いているのかな?」程度の症状ですが、生後3~6か月の小さな赤ちゃんでは重症化しやすく、肺炎や脳症という思い病気になることもありますので、三種混合ワクチンは生後3か月になったらすぐに接種を開始してください。

1歳までに3回の接種を完了する必要があります。アメリカなどでは生後間もない小さな赤ちゃんの百日咳を予防するために、妊婦さんにも百日咳を含んだ予防接種をするような動きがあるくらいです。

また、学童や青少年、成人の百日咳を減らすためにDTワクチン(ジフテリア、破傷風の2種混合ワクチン:現在小学校6年生で接種しています)を新しくDPTワクチンを減量して接種して小児期以降の百日咳を予防する試みも考えられています。ジフテリアも破傷風も小児期ではほとんど発生がありまんが、破傷風は成人での発症も多くジフテリアは輸入での流行も懸念されていますので、2種類とも小児期を過ぎたところでの追加の接種が必要ですね。


 
BCGは現在でも日本では必要な予防接種です。なぜなら先進国ではほとんど見かけなくなった結核でも、日本は結核の中程度蔓延国なので、結核にかかるリスクは比較的高い国です。そして小児の結核の患者さんが誰から感染するかというと、85%以上のお子さんが両親や祖父母からの感染です。

つまり成人の方でお子さんに伝染させるような結核の方が意外に多いことが分かります。このため、BCGの接種を止めると小さなお子さんでは肺炎や髄膜炎などの重症の結核になりやすいために、この予防接種も小児には必要なワクチンです。

ただし最近ワクチンの同時接種も行われてはいますが、1歳前に接種した方が良いワクチンもかなり多くなってきていますので、これらのほかのワクチンとのスケジュールを考えると、BCGはこれからはワクチンスケジュールの立てやすい、「個別接種」と「ワクチン接種時期の延長(今までは生後6か月まででした)」へ方針が変わってゆくでしょうね。
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子どもを守るための予防接種(ワクチン)スケジュールについて (2:B型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタワクチン)


 今回は、B型肝炎ワクチンヒブワクチン肺炎球菌ワクチンロタワクチンについてのお話です。


 B型肝炎ワクチンは日本ではなじみが少なく、ご存じでない方も多いかもしれませんが、このワクチンはその名の通りB型肝炎という病気を予防するワクチンです。


重症のB型肝炎はその後成人になって肝がんも発症することもある恐ろしい病気です。 

そのためこのワクチンは世界最初のがん予防のワクチンと言っても過言ではありません。

B型肝炎血液や唾液輸血などで伝染しますが、

一番よく知られているのは母子感染と言ってB型肝炎のウイルスを持っているお母さんから出産のときに赤ちゃんに伝染してしまうことが多く、そのため数十年前から日本でもこのような例にB型肝炎ワクチンを保険診療で(自費ではなく保険診療でワクチンの料金が支払われるので、乳幼児医療などを使えば無料です)接種しており、かなりの効果を上げています。


しかしながら唾液や汗などでも伝染する可能性もあり水平感染と言って同居しているご両親や祖父母の方からうつったり幼稚園や保育所でうつるケースもあり日本での年間の患者さんは2万人くらいとも言われ、

かなり多くの方が伝染している状況です。

またこのウイルスは赤ちゃんなどの幼い時期に移ってしまうと免疫が弱いせいでウイルスが体に残りやすく成人に比べて慢性化しやすく慢性化しなくても何らかの理由で免役力が落ちると再活性化と言って肝炎になりやすくなります

そのため生後2か月からという早い時期からの接種が薦められています。

 


ヒブワクチン肺炎球菌ワクチンは、細菌性髄膜炎と言う恐ろしい病気を防ぐワクチンです。


細菌性髄膜炎にかかると昔でいう「のうまく炎」というもので、

死亡したり重度の障害を残すことが多くあります。

しかもこの恐ろしい病気は約半分のお子さんで生後3か月から1歳までの早い時期にかかってしまうので、のワクチンも生後2か月からの早い時期にワクチンの接種を開始する必要があります。

また保育所や幼稚園などの集団保育では、この危険性が2~3になりますので、小さいうちから保育所などに入所されるお子さんはなおさら必要性が高くなります。

アメリカなどの先進国では(韓国や台湾も含め)すでに何年も前からこのワクチンを全員のお子さんに接種してきていますので、髄膜炎もほとんどかからなくなり(99%以上減少!)過去の病気になってしまいました。



 ロタウイルスワクチンの接種はロタ胃腸炎に対しての有効な手段です。

ロタ胃腸炎は乳幼児ではノロウイルス胃腸炎よりも多く一番多い胃腸炎です。

日本での推計でも一年間で約120万人が発症し、8万人近くが入院して治療を受け、10人近くのお子さんが亡くなっているといわれています。

また脳症と呼ばれる思い脳の病気にもなることがあり脳症の原因としてもインフルエンザ、突発性発疹に次いで3番目に多い病気です。

この病気も生後数か月で発症して入院することも多く、生後6週からワクチンが接種できますので、早めに接種して下さい。

ワクチンは2種類あり内容や接種回数が違いますが、どちらのワクチンも高い有効性が有ります。    


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子どもを守るための予防接種(ワクチン)スケジュールについて(1)


 先月に旭川で、日本赤十字社医療センター顧問の薗部友良先生による

ワクチンの講演会がありました。


ポリオワクチンヒブワクチン肺炎球菌ワクチンなどワクチン全般についてのお話で、膨大な資料を基にして講演して下さいましたので、その一部をお話しさせて頂きます。

 

まず最初は今後の予防接種制度についてですが、


1)B型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、おたふくかぜワク チン、水ぼうそうワクチン、子宮頸がんワクチン等については、国会で審議が通り定期接種(全員のお子さんが公費で無料で接種できます)になることが決定しましたが、予防接種法の改正を待たねばならず、今のところはあまり進展がないようです。

2)日本での任意接種のワクチン(希望により自費で接種するワクチンで、おたふくワクチン、水ぼうそうワクチン、B型肝炎ワクチンなど)はWHO(国際保健機構:国連の世界的な機関です)がすべて定期接種にした方が良いと薦めてるワクチンで、世界の先進国ではもうすでに全員のお子さんに接種しています。

 

二番目に予防接種のスケジュールの基本は、


定期の決められているワクチンからというわけではなく、どのワクチンであっても良いのでかかると重い病気や流行している病気のワクチンを優先して接種します。

必要性の高いワクチンは接種できる月齢になったらすぐに接種しましょう


定期接種(三種混合やポリオなど)でも流行が少ない病気のワクチンはその後でも構いません。


そして、数多くのワクチンを接種しなければならないので、同時接種を基本にして早めにお子さんに免疫をつけてあげてください。(詳しくはVPD(ワクチンで防げる病気)の会の新スケジュールを参考にしてください)

 

次回からは、B型肝炎ワクチンや、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンなどのそれぞれのワクチンについて、トピックス的にお話いたします。

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