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子どもたちを守る予防接種(ワクチン)スケジュールについて(3:三種混合(百日咳、ジフテリア、破傷風)、BCG)

今回は、三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア、百日咳、破傷風)、BCG、についてのお話です。


 三種混合ワクチンの中で最も重要なのは百日咳の予防です。ジフテリアは日本ではほとんど見かけられなくなりましたし、破傷風はまれな病気になってきましたが、百日咳は今でも多い病気です。

特に最近は成人の百日咳の方が多くなり、小流行もときどき見かけられ、お母さん・お父さんからお子さんへの百日咳の伝染もしばしばあります。「成人の方は風が少し長引いているのかな?」程度の症状ですが、生後3~6か月の小さな赤ちゃんでは重症化しやすく、肺炎や脳症という思い病気になることもありますので、三種混合ワクチンは生後3か月になったらすぐに接種を開始してください。

1歳までに3回の接種を完了する必要があります。アメリカなどでは生後間もない小さな赤ちゃんの百日咳を予防するために、妊婦さんにも百日咳を含んだ予防接種をするような動きがあるくらいです。

また、学童や青少年、成人の百日咳を減らすためにDTワクチン(ジフテリア、破傷風の2種混合ワクチン:現在小学校6年生で接種しています)を新しくDPTワクチンを減量して接種して小児期以降の百日咳を予防する試みも考えられています。ジフテリアも破傷風も小児期ではほとんど発生がありまんが、破傷風は成人での発症も多くジフテリアは輸入での流行も懸念されていますので、2種類とも小児期を過ぎたところでの追加の接種が必要ですね。


 
BCGは現在でも日本では必要な予防接種です。なぜなら先進国ではほとんど見かけなくなった結核でも、日本は結核の中程度蔓延国なので、結核にかかるリスクは比較的高い国です。そして小児の結核の患者さんが誰から感染するかというと、85%以上のお子さんが両親や祖父母からの感染です。

つまり成人の方でお子さんに伝染させるような結核の方が意外に多いことが分かります。このため、BCGの接種を止めると小さなお子さんでは肺炎や髄膜炎などの重症の結核になりやすいために、この予防接種も小児には必要なワクチンです。

ただし最近ワクチンの同時接種も行われてはいますが、1歳前に接種した方が良いワクチンもかなり多くなってきていますので、これらのほかのワクチンとのスケジュールを考えると、BCGはこれからはワクチンスケジュールの立てやすい、「個別接種」と「ワクチン接種時期の延長(今までは生後6か月まででした)」へ方針が変わってゆくでしょうね。
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