- 2011年12月17日 13:57
- 学会の報告
日本小児アレルギー学会第2日目の教育セミナー5では、「小児アトピー性皮膚炎に対するProactive Therapy の有用性―TARCを指標に加えた治療戦略―」と題して、東京の国立成育医療研究センターの先生の講演を聞いてきました。
小児のアトピー性皮膚炎は、その重症度の幅が広く、軽い人はスキンケアでコントロール出来るものの、重い人は成長や発達に障害を残すこともあり、その治療にはかなりしっかりと向き合わなければならないと話され、特に乳幼児で重症の方は、保護者の方が塗り薬のステロイド剤の使用をためらっているか、または使用していても適切な使用方法を知らない方が多いとのことでした。
そのため、成育医療センターではアトピー性皮膚炎の治療を行う上で、お子さんや保護者の方にステロイド剤を安心して使用できるようにまず始めに時間をかけて説明し、アトピー性皮膚炎に対する認識(原因や悪化因子など)をしっかり持ってもらい、さらに塗り薬のステロイド剤や皮膚の保湿を含めどのような治療法がそれぞれのアトピー性皮膚炎のお子さんに適切なのかという教育を十分に行います。
そしてこのような説明に本人や保護者の方が理解を得た上で塗り薬のステロイド剤の使用を開始し、良くなるに従い順次保湿剤に置き換え、その後は無症状の状態を長期に維持するために、Proactive Therapy という、毎日ではなく、数日間に一回程度の頻度で時々塗り薬のステロイド剤を使用して、皮膚を良い状態に持続させる治療法を推奨していました。
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